北京発--Intelの中国進出は、製造計画が前進を見せる一方で、研究開発部隊の方がやや遅れ気味となっている。
北京と上海の研究所では、並列プログラミングツールやテラスケールコンピューティングといった重要分野の研究にエンジニアが取り組んでいる。しかし、今のところ当地で開発中のプロセッサは1つもなく、製品登場までには時間がかかると思われると、Intelの最高技術責任者(CTO)として研究所を統括するJustin Rattner氏は語る。
Intelは今週、毎年2回開催するIntel Developer Forum(IDF)を中国で開催している。同社はこのカンファレンスを通例サンフランシスコで開催しているが、IDFの予算削減や、この10年で大連でのチップ製造を開始することを先ごろ発表するなど中国での事業拡大を強調する目的から2007年は海外での開催となった。
Intelは現在、上海や成都のチップパッケージング工場に加え、北京と上海に研究所を持っている。一見したところ世界最大のチップメーカーと結びつきにくいが、両研究所での作業の大半はソフトウェアの開発が中心となっている。
Intelは実際に中国で大量のソフトウェア開発者を抱えており、OSを起動させるBIOSの代替技術や、マルチコアプロセッサにプログラマーが対応できるよう支援するコンパイラ技術などの開発に取り組んでいると、Rattner氏はカンファレンス開催前のインタビューで明かした。
Rattner氏によると、同社の北京研究所では、最近80コアの試作チップの形で披露されたIntelのいわゆる「テラスケール研究」関連の開発の一部も進んでいるという。中国人研究者らは、80基の独立したプロセッサコアの処理能力を利用可能なアプリケーションなどを研究している。今日のアプリケーションやプログラミング技術では、80コアをうまく処理することはできないという。