日本HP、ブレード型ワークステーションでリモートクライアントソリューションを提供

藤本京子(編集部)

2007-04-17 18:43

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は4月17日、ブレード型ワークステーション「HP ProLiant xw460c Blade Workstation」を発表した。ブレードのエンクロージャなども含め、「HP Blade Workstationソリューション」として5月上旬より販売開始する。

松本氏 ブレード型ワークステーション発表の背景について語る日本HPの松本光吉氏

 日本HP パーソナルシステムズ事業統括 執行役員 マーケティング統括本部 統括本部長の松本光吉氏は、「これまでクライアントPCやワークステーションにおいて求められていたのは、コストを低減させることが中心だったが、今ではM&Aなどによる組織変更にも俊敏に対応できることや、セキュリティやコンプライアンスなどに対するリスク軽減が求められるようになった」と、顧客ニーズが変化していることを指摘する。

 HPが発表したBlade Workstationソリューションは、こうしたニーズに対応するものだ。同社ワークステーション本部 本部長の小島順氏は、「PCやワークステーションは、表示モニタとCPU、ハードディスクが一体となったものだったが、これからは『クライアントインフラストラクチャ』として、表示部分はシンクライアントに任せ、演算部分はブレードPCやブレードワークステーションに、そして記憶部分はネットワークストレージに任せるといったように、個々の筐体に分けて処理することで、統合管理環境が実現する」と話す。

 同ソリューションでは、ワークステーションブレード本体やストレージなどの機能をデータセンターに集約し、シンクライアントを使った専用アクセス端末に画面を転送して表示させる。ブレードのxw460cで処理されたグラフィックスデータは、HP独自の圧縮技術を使った「HP Remote Graphics ソフトウェア」により、ネットワークを介してディスプレイイメージとしてシンクライアントに転送される。つまり、シンクライアントとネットワーク環境があれば、どこからアクセスしてもユーザー環境が再現でき、出張先や遠隔地での利用はもちろん、オフィスのレイアウト変更時にも面倒な作業は必要ない。

 また、ワークステーションブレードやストレージはデータセンター内に収納されているため、物理的にデータの持ち出しができなくなる。これにより高度なセキュリティを保つことができ、運用管理もデータセンター内で完結するため、手間やコストが削減できる。

 米Hewlett-Packardでは、2006年12月にすでに同製品を発表しており、金融機関などにて導入が進んでいるという。日本国内でも、「まずは金融機関をターゲットとして販売する」と小島氏。2007年後半から2008年にかけては、「3次元要求の多い分野も視野に入れ、CADベンダーなどもターゲットとしていく」(小島氏)としている。

 xw460c Blade Workstationは、デュアルコア インテル Xeon 5100シリーズのプロセッサと、NVIDIA Quadro FX 560Mグラフィックスを搭載しており、価格は51万300円(税込み)から。16ユーザーを想定した場合でのHP Blade Workstationソリューションの参考構成価格は、約1000万円からとなっている。

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