2008年には創立40周年を迎える伝統ある情報サービス企業のシーイーシー。メインフレームの受託開発で企業基盤を作り、独立系のSIerとして地歩を築き、そして2005年からOSSにも本格的に取り組み始めた。
OpusSquareとOpusCoreでアプローチ
シーイーシーがOSSに本格的に取り組み始めたのは2005年だ。
「もちろん、以前からオープンソースには注目していたのですが、事業として立ち上げるということで、2005年にOSSのソリューション&サービスとしてOpen Source Expertを発表しました」と話すのは、同社の取締役で制御システムやITソリューション、ITマネジメントサービスなどの本部長を兼務する田原富士夫氏。
この発表に合わせ、同社は組織も変更している。2005年下期にOSSのビジネス企画の組織を設立、2006年2月にOSSソリューション部を立ち上げた。それがこの2007年にOSSビジネスソリューション部と名称を変更、本格的なビジネスを展開するという形となった。もともとはOSSのコミュニティと通じて活動を展開してきたが、アプリケーションレベルのビジネスが増えてきたことでこうした組織を作ったのである。
その中でのビジネスモデルについて、田原取締役はこう語る。
「当社はOSSで2つのビジネスモデルを持っています。ひとつはOpusSquareで、海外も含めたOSSのアプリケーションを我々で品質保証も提供しながら日本に紹介するというものです。もうひとつはOpusCoreというSI部門を支援する、オープンソースの技術を生かしてお客様のシステムを構築するというものです」
つまり、OpusSquareはいわゆるパッケージ製品をベースにした展開、そして独自にOSS技術を基盤に作り込むというのがOpusCoreである。そのソリューションを、OSSを現場で支えるITソリューション本部OSSビジネスソリューション部の土志田宏人部長はこう説明する。
「OpusSquareシリーズでは、国内外の優れたOSSパッケージ製品の提供とともにお客様のITインフラ環境に合わせたシステム構築を行っています。CRMパッケージのOpusSquare CRM、ビジネスインテリジェンスツールのOpusSquare BI、コミュニケーションツールのOpusSquare BLOG、そしてOpusSquare SNSソリューションなど、OSS製品のラインナップも拡充しています」
このOpusSquareシリーズは、SNSやブログなども見ても分かるように、同社はライト感覚でOSSのソリューションとして作り上げたという経緯がある。一方のOpusCoreは、顧客のソリューションの下支えをする基盤系のソリューションという位置づけだ。