ITIL--ちょっと「でき過ぎ」なITサービスマネジメントの方法論? - (page 2)

文:Sylvia Carr(Silicon.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、坂野裕史

2007-05-11 08:00

--ITILの資格について何か聞いたことがあるんだけど。

 よく知っているね。ITILはベストプラクティスをまとめただけのものじゃないんだ。IT技術者が取得できる資格としても展開されている。これは人材を採用しやすくすることを目的としているので、例えばITIL関連の職場の場合、ITIL資格を持つヘルプデスク技術者ならばプロセスについて既に一定の知識があり、短期間に仕事に慣れることができるはずなんだ。

--「でき過ぎ」な話にも思えるんだけど。

 まあそうだね。こうしたうたい文句を全部まともに受け取ってはいけないよ。組織がどれだけの恩恵を受けられるかは、日常のプロセスにベストプラクティスをどれだけうまく取り入れられるかにかかっている。この作業はいつも簡単だとは限らない。理論が実際の業務に常に合致するとは限らないし、業務上の習慣を大幅に変える必要が生じる組織もあるだろう。ITILの出版物は、無味乾燥で技術寄りの傾向があることも付け加えておこう。

--じゃあ、確実にうまくやるにはどうすればいいの?

 コンサルタントはいつでも雇えるし、BMC、CA、Hewlett-Packard、IBMなどのいくつかのベンダーは最近ITILに積極的に取り組んでいて、上記のようなプロセスの標準化を希望する顧客にツールやその他の支援を提供しているんだ。

--他に知っておいた方がいいことは?

 ITILのバージョン3は、強化される点もありそうだけど、ITILの採用を検討するエンドユーザーにとっては、アップグレードの状況が落ち着くまで待つべきかどうかが頭痛の種になっているんだ。ベンダーも、自社のITIL関連製品をアップグレードするかどうか、いつそれをするかを決める必要がある。どんなアップグレードでも同じだけど、当事者すべてが同じ考えを持つまでには時間がかかる。まあ、時間がたてばはっきりするんだろうけどね。

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