「新しい技術は、新しい可能性を広げる」--マイクロソフトが「NPO Day 2007」を開催 - (page 2)

山下竜大(編集部) 2007年05月15日 07時49分

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NPOの具体的な取り組みを紹介

 基調講演後には、シーズ事務局長の松原明氏をモデレーターに、富士山クラブ事務局長の川島攻氏、全国障害学生支援センター代表の殿岡翼氏、マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 Office製品マーケティンググループマネジャーの田中道明氏がパネラーとして参加したパネルディスカッションを実施。「ITが変えるNPOの協働スタイル」をテーマに意見が交換された。

 富士山クラブは1998年11月に設立され、1999年11月にNPOとして認可された団体。個人会員1200人、団体会員50社が、“美しい富士山を子どもたちに残していく”ための取り組みを展開している。

 同団体では、富士山周辺におけるゴミ不法投棄の実態を把握するために、GPS機能付き携帯で写真を撮影し、その位置をメールで送信することで、ゴミの分布をウェブサイト上に展開。ゴミ不法投棄の実態を定量データとして把握できるようにした。

 川島氏は、「ITの活用により、清掃計画の立案が容易になったほか、国や関係自治体に情報を提供し、ゴミ不法投棄防止対策を検討してもらう一助となった。また、富士山での活動例を容易に全国展開することができる。今後は、道路管理者に道路の被害を知らせるシステムや外来生物の分布調査などにも応用できるのではないか」と話している。

 また、全国障害学生支援センターの殿岡氏は、大学における障害者の受け入れを促進するための調査を実施しているが、これをIT化することで大幅な効率化を実現した事例を紹介した。

 殿岡氏は、「障害者を受け入れている大学は、いったいどこにあるのか。また、受け入れていてもどのような状態なのかが全く分からないことが悩みのひとつだった」と話す。ひと言に「受け入れている」と言っても、すでに障害者が在籍しているのか、単に受験ができるのか、入学後に配慮があるのかなど、具体的な状態が把握できないのが実情だったという。

 同氏は、「具体的にデータ化して概念を整理することが必要だった」と話す。そこで2006年11月より、日本全国すべての大学745校を対象としたアンケートを実施した。「回答率は56.7%で、調査項目250項目以上、選択肢1000以上のアンケートの実施、集計、分析を支えたのがウェブ技術とデータベースだった」と殿岡氏。

 従来、このアンケートは、紙のアンケートを大学に送付し、送り返されたものをPCに入力、集計を行っていた。これは、非常に手間のかかる作業で、6カ月以上の期間を要していた。今回大学側がウェブサイト上でアンケートに回答できる仕組みを実現したことで、アンケートの実施から分析、公開までの作業効率を3倍程度に向上できたという。

 殿岡氏は。「まさに、マイクロソフトの技術と我々の調査が結合した素晴らしい成果だった」と話している。

 さらにマイクロソフトの田中氏は、NPO支援において有効なソリューションとして「Microsoft Office Groove 2007」を紹介した。

 Microsoft Office Groove 2007は、Microsoft Officeの操作性をそのままに、インターネット環境を活用することで、だれもが容易に情報共有することを目的とした製品。サーバ環境の構築やシステム管理者を必要とせず、ナローバンド環境やオフライン環境でも利用できるのが特長。2005年8月に米国南部を襲った米国史上最大のハリケーン「カトリーナ」の救援活動にもこのMicrosoft Office Grooveが活用されている。

 田中氏は、「負傷者の位置情報や避難場所の確認、医薬品の供給、被災者の安否情報、ボランティアの配置、交通情報の共有などがNPOや政府の最大の課題だった。このとき、Microsoft Office GrooveがNPOの活動を強力に支援した」と話す。

 Microsoft Office Grooveでは、サーバ環境を構築する必要がなく、ボランティアの1人ひとりがソフトウェアを導入していれば、必要な情報を入力することが可能。ネットワークにつながっていればリアルタイムに、オフライン環境であれば非同期に情報を共有できるので、救援活動に大きな役割を果たしたという。

 「この5年間でPCの性能は10倍以上に向上した。この能力を活用することで、共同作業や情報共有の効率化を促進し、コストを削減できるソリューションを提供することで、NPO活動のより一層の強化を支援していきたい」と話している。

 最後に、全国障害学生支援センターの殿岡氏は、「新しい技術の本質を見極めてほしい。電子メールが登場したとき、“あんなモノは普及しない。手紙で十分だ”と言う人もいた。しかし、鉛筆で文字は書けないが、キーボードなら文字を入力できる人もいる。また、郵便局まで行けないが、PCでならメールを送れる人もいる。新しい技術は、新しい可能性を広げることを忘れないでほしい」と話した。

パネルディスカッション パネルディスカッションでは、「ITが変えるNPOの協働スタイル」をテーマに意見が交換された。

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