Linuxでゼロから作るメールサーバ--第1話:メールサーバ構築までの道 - (page 3)

サイオステクノロジー Linuxシステムテクノロジー部

2007-06-05 08:00

先輩:赤井くん、君は面白いな。ミラーリングっていうのはハードディスク2台に同時にデータを読み書きをするための装置なのだ。万が一、1台のハードディスクが故障しても、同じ内容が書き込まれたハードディスクが残るから、サーバはそのまま動き続けることができるんだよ。

赤:なんだかすごく便利なものなのですね。あ、質問ばかりで申し訳ないのですけど、「64ビット」というのは何ですか?

先輩:64ビットを簡単に説明するために、今、一番普及している32ビットとの違いで説明しようかな。32ビットと64ビットの違いはね、扱える「メモリ空間」が違うんだ。32ビット機で扱えるメモリ空間は4Gバイトが限界だが、64ビット機で扱えるメモリ空間は理論上、16エクサバイトなのだよ。

赤:Gバイトは聞いた事あるけど、エクサバイトというのは何ですか?

服:それはオレにも説明できるぞ。1024Gバイトが1T(テラ)バイトで、その1024倍の1024Tバイトが1ペタバイト、そのまた1024倍の1024ペタバイトが1エクサバイトだから、その16倍が16エクサバイトだよ。

赤:……何だか、余計分からなくなったけど、64ビットでは扱えるメモリがとてつもなく大きいということなのですね。

先輩:そういうことだ。よく分かっているじゃないか、赤井くん。

赤:はあ……。

先輩:今回、持って来たサーバのメモリは1Gバイトだけど、今後拡張する場合、32ビット機ではせいぜいメモリを4倍までしか拡張できないことになるから、64ビット機なら将来的にも柔軟に対応できるぞ。また、このサーバでは、32ビットのアプリケーションを動かすこともできるのだよ。

赤:64ビット機でも種類があるということですか?

先輩:実は「64ビット機」と言っても、純粋に64ビットアーキテクチャで稼動するもの(Intel Itaniumシリーズなど)と、32ビットと64ビットアーキテクチャの両方を兼ね備えたもの(一般に「EM64T」と呼ばれる、Intel Xeonプロセッサーなど)があるんだ。今まで、32ビット機が普及していたから、64ビットに移行できていないアプリケーションもいくつかあるんだ。ちなみに、32ビットアプリケーションと互換性のある64ビットアーキテクチャとしては「AMD64」なんていうのもあるんだよ。

赤:現在普及している32ビットアプリケーションが使えて、しかも将来の拡張を考慮した64ビット機能を兼ね備えるなんて、宮本武蔵の二刀流みたいで、かっこいいですね。

先輩:赤井くん、君の発想は本当に面白いな。そろそろ、次の予定があるから帰るけど、何かあったら電話くれよな。

赤・服:本当にありがとうございました!

 赤井くんと服部くんは、南先輩を見送りました。

赤:さすが、「謎のエンジニア」と言われるだけあってすごいよね。でもさ、なんで「謎」なの?

服:それは、行動に謎が多いからなんだけど、そのうち赤井にも分かる時がくるさ(笑)。

(第2話「OSの選択」へつづく)

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