日立製作所と日本オラクルは28日、「Oracle GRID Center」における共同検証結果を公表した。GRID Centerは、オラクルがパートナーと共同で、GRIDを活用したソリューションの検証を行うために昨年開設したもの。
今回の検証は、2月にIBMと共同で行われたパフォーマンスについての検証に続くもので、BCM(Business Continuity Management:ビジネスの継続性管理)について検証されている。特に、個々のシステムコンポーネントだけでなく、それらを組み合わせたとき、全体としていかにサービスを継続させるか、という観点での検証となった。
検証には、ハードウェアに日立のブレードサーバ「BladeSymphony」、ミドルウェアおよびデータベースにはオラクルの「Oracle Application Server 10g」と「Oracle Database 10g」、OSにはLinuxが使われている。この組み合わせでJ2EE WEBアプリケーションを使用した際のシステム性能とその拡張性が検証された。データベース層ではOracle DatabaseのRAC、アプリケーション層ではOracle Application Serverのレプリケーション機能を使用して高可用性を担保、そのベストプラクティスを公開している。
検証の結果、データベース・サーバーとアプリケーション・サーバーの各8台のスケールアウト構成において、1台構成と比較して7.9倍のスケーラビリティが実証された。また、Oracle Application Serverの持つレプリケーション機能について、どの方式でどういった影響がパフォーマンスに現れるかについての検証結果も公開されている。
今回の検証結果はBladeSymphonyを中心としたPhase 1と位置づけられ、今後Phase 2として日立のストレージも併せ、高トランザクション環境でのオンラインバックアップの検証などが行われる。Phase 2の結果については9月をめどに公開される予定。さらに将来的には、Phase 1とPhase 2の成果を組み合わせての高可用性最大化のベストプラクティスを公開、最終的にはITインフラ全体の統合監視までを含めたソリューションを確立する。