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顧客の「リアル」を追求したNECのブレードサーバ--特集:ブレードサーバ市場を探る(4) - (page 2)

谷川耕一

2007-05-30 08:00

 「Mのユニットでは、接続されたモニターをユニット側のスイッチで簡単に切り替えられる機能がある。また、DVDドライブがユニットに直接搭載されているのも他社にはない特長だ。これらにより、インストール作業をしている状況が、通常のPCサーバと同じように簡単にモニターできるようになる」(本永氏)

 こうしたきめ細かい機能を搭載することで、ブレードサーバは難しいというイメージを払しょくする。普段PCサーバの扱いならば慣れているという技術者でも、違和感なくすぐにブレードサーバが利用できるという。これが、顧客そしてNECの製品を販売する販売店の「真のニーズ」に対応していることになるのだ。

 ユニットだけでなく、顧客のニーズに対応するために、CPUブレードのラインナップも幅広い。最新の2コア、4コアのインテルXeonプロセッサを2台搭載できるモデルはもちろん、Itanium2プロセッサを搭載するモデルもラインナップに加わった。また、FTブレードも開発予定だとしている。

 さらにラックサーバからの移行を容易にするため、ラックマウントサーバと同様に筐体内に6台のハードディスクを搭載できる「簡単導入ブレード」や、低消費電力型のプロセッサを搭載するタイプもある。

 ラックマウントサーバなどで多くのハードディスクを搭載して利用しているものをブレードサーバに移行する際には、ハードディスクの数が合わないとディスクのレイアウトが異なることになり、新たに外付けハードディスクを用意することになる。この移行に技術者が時間と手間をかけることになり、これでは手間なくサーバを統合することにはならない。簡単導入サーバであれば、とにかく手軽に統合したいというニーズにも対応できる。

 「年商で500億円以下の中堅、中小規模の企業においてもブレードサーバのニーズがかなり高くなってきている。他社が、ブレードサーバではハイエンドな提案しかできないときに、Mのユニットと簡単導入ブレードの組み合わせで柔軟な提案をする」(本永氏)

 さらに、ストレージ製品を提供するNECに特長的なラインナップとして、SANブート専用ブレードがある。これは、筐体内に一切ハードディスクを搭載せず、ファイバーチャネルで接続されるSANストレージからOSを起動するものだ。物理的にはハードディスクのスペースが有効利用され、搭載できるメモリ容量が拡大し、仮想化を実現するにも最適だ。これを利用し、クライアントPCをブレードサーバに統合するシンクライアント環境を実現する。

 内部統制や個人情報漏えい対策などの面から、市場でのシンクライアントへの関心は高まっている。とはいえ、実際の普及は今ひとつといったところ。その理由には、パフォーマンスの問題や、数多くのクライアントを管理するサーバをどのように集約するかといった部分にまだ課題があるのだろう。これらの課題を、SANブート専用のSIGMABLADE、SANストレージ、シンクライアント端末、管理ツール「Virtual PC Center」というトータルな仕組みを提供することで解決し、NECでは顧客からの評価を受けているという。

強力なパートナー体制でリアルな顧客ニーズに対応

 NECのブレードサーバの特長は、技術的な要素をバラエティとして揃え、顧客の選択肢を増やすというよりも、顧客のニーズに沿ってラインナップを揃えた結果、豊富なラインナップとなった印象を受ける。この顧客ニーズをきっちり把握する方法として、NECはパートナーとの関係強化にも注力している。NEC製品の展示会場ともいえる「クラサバ市場・秋葉原店」に、ブレードサーバを実際に見て触れる環境を構築して公開したほか、クラサバ市場の地域展開版として、全国26カ所で顧客や販売パートナーに実機に触れてもらう機会を作った。

 この地域展開は現在も継続しているほか、全国360社の販売パートナーおよび約6500名の販売店SEに向けてブレードサーバの拡販プログラムも展開している。この活動は、単に一方的にNEC側からブレードサーバの技術情報を提供するのではなく、全国の技術者が一同に会する意見交流会を実施し、SIGMABLADEに対する改善点や要望を開発部門にフィードバックする。こうした中から、筐体にDVDドライブを搭載するといったきめ細かな対応がなされ、結果的に顧客の求めるラインアップを実現した。このように、ハイエンドなニーズだけでなく、細かな顧客ニーズにも耳を傾ける姿勢がx86サーバ市場でトップを走り続けているNECの特長といえる。

 NECでは、ブレードサーバ単体としての販売目標は掲げていない。現状でNEC全体のPCサーバの出荷台数のうちブレードサーバの割合は5〜10%だが、これを30%程度まで引き上げるというのが当面の目標だ。当然ながら、今後も継続してPCサーバ市場でのトップシェア獲得を目指す。

 「他社がよりこの市場に注力することで、ブレードサーバ市場全体が広がっていけばと考えている」と本永氏。PCサーバトップシェアベンダーとしての余裕すら感じられるコメントだ。顧客、およびパートナーのニーズをきめ細かくつかみ、タイミングを逃すことなく製品に反映し続けることができれば、NECのPCサーバ市場の牙城はそう簡単に崩れることはないように思えてくる。

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