NetBeans 6.0ではデータベースと連携したSwingアプリケーションの開発支援機能が新たに追加されている。以下はウィザードで自動作成したMaster/Detailアプリケーションだ。JPA(Java Persistence API)と後述するBeans Bindingを用いて実装されている。

また、GUIビルダのパレットには以下のようにJPA関連のアイコンが追加されており、JPAのEntityManagerやQuery、Queryの結果を格納するためのリストをフォームに追加することができる。

データベースアプリケーションの開発については一応サポートはされているものの、まだ実験的な色合いが強い。今後の進化に期待したいところだ。
Beans Binding
Beans BindingはSwing Application Frameworkと同じくJSR-295として標準化が行われているAPIで、JavaBeansのプロパティ同士をバインドする機能を提供する。Beans Bindingによって複数のGUIコンポーネントのプロパティを連携させリアルタイムに値を同期させたり、任意のJavaBeanのプロパティをGUIコンポーネントにバインドするといったことが簡単に実現できるようになる。NetBeans 6.0ではPropertiesビューにBindingというページが追加されており、Beans Bindingによるバインディングの設定を行うことが可能となっている。

前述のMaster/DetailアプリケーションでもBeans Bindingを利用してクエリ結果をテーブルに、テーブルの選択行のデータを編集領域のコンポーネントにそれぞれバインドしている。Beans Bindingの利用法方法を知るための参考にするといいだろう。
まとめ
NetBeansのGUIアプリケーション開発には定評があったが、6.0へのバージョンアップでその地位は確固たるものとなるだろう。EclipseにもVisual EditorというGUIビルダが存在するが、動作速度や安定性、使い勝手の面でNetBeansに大きく軍配が上がる。Swing Application FrameworkやBeans Bindingといった最新のJava標準仕様をいち早くサポートしており、これらの機能が違和感なくIDEに統合されている。またNetBeansは標準でJPAもサポートしているためデータベースと連動したGUIアプリケーションの開発も容易だ。GUIアプリケーションを開発するなら是非一度NetBeansを試してみて欲しい。