大日本印刷(DNP)と国立情報学研究所(NII)は、コミュニティサイトを使った学会向けの情報支援システムを開発した。学会の参加者が会場で気になった情報を携帯電話で撮影、投稿し、あとからほかの参加者とウェブ上で意見交換できる。6月18日より宮崎県で開催される人工知能学会に導入する。
この学会向け情報支援システムでは、学会の参加者に携帯電話向けのアプリケーションを配布する。参加者は携帯電話のアプリを起動して、会場の展示物や発表を撮影し、画像とコメントをサーバ上にある個人フォルダに書き込み、保存する。
保存した情報は、携帯電話やPCから閲覧、編集したうえで、コミュニティサイトに公開できる。撮影した画像が文字を含む場合、文字をテキストデータに自動変換することが可能。会場内にはICカードをかざすだけで個人フォルダにログインできるインタフェースも用意する。
また会場内に複数設置した人感センサーを利用し、主要な場所の混雑状況をサイトや会場内のディスプレイにリアルタイムで表示する。参加者が会場内の各場所でICカードをかざすとその履歴を記録し、サイトの個人ページに登録したスケジュールと合わせ、自分の行動をあとから振り返ることができる。参加者はあとから履歴を編集し、サイトに公開できる。
このほか発表を聴講する際にPCから質問のメモを作成、共有できる機能や、発表の残り時間を通知する機能、インターネット上の研究者の情報を収集し、研究テーマや関連キーワードを抽出する機能も用意する。