5月にサンフランシスコで開催された2007 JavaOne Conferenceにあわせ、OracleからJava統合開発環境JDeveloperの新版11gのテクニカルプレビューが公開された。JDeveloperはデスクトップアプリケーションからエンタープライズアプリケーションまでJava開発を幅広くサポートする統合開発環境。以前は有償の製品であったが、EclipseやNetBeansといったオープンソースの統合開発環境の台頭もあり2005年より無償提供されている。
JDeveloperをEclipseやNetBeansと比較したときの最大の優位性はエンタープライズ向けの機能の充実だろう。本稿では現在公開されているJDeveloper 11gのテクニカルプレビュー版について主要な機能を紹介していく。
JDeveloper 11gの主な機能
Webアプリケーション開発
JSPをビジュアル編集するためのWYSIWYGエディタ、JSFの画面遷移をグラフィカルに定義するためのフローエディタなどがサポートされている。
また、Ajaxの台頭もあり、11gではJavaScript関連の機能が強化されている。JavaScriptエディタでの入力補完や構文チェックが可能になったほか、Firefoxと連携してJavaScriptのデバッグを行うことができるようになった。
JSF用のAjax対応コンポーネント(ADF Faces Rich Client)も多数用意されており、リッチなJSFアプリケーションを作成することが可能だ。コンポーネントの一覧を参照できるページが用意されているので参考にして欲しい。
GUIアプリケーション開発
JDeveloperではAWT/SwingによるGUIアプリケーションの開発もサポートされている。以下のようなGUIビルダを用いてグラフィカルに画面を作成することが可能だ。
後述するADFがSwingによるGUIアプリケーション開発もサポートしている点はJDeveloperの強みといえるだろう。ただし、これまでJavaはWebアプリケーションが主戦場だったこともあってか、JDeveloperでのGUIアプリケーション開発機能は充実しているとは言いがたい。標準でGUIアプリケーションの開発をサポートしていないEclipseはともかく、積極的に最新の仕様をサポートしているNetBeansと比較すると数歩遅れているという感が否めない。近年はJavaがクライアントサイドへの取り組みを強化していることもあり、JDeveloperでも今後のサポート強化に期待したいところだ。