しかし、これに夢中になっているのは若い子だけじゃない。現在でも若い年齢層から最も人気があるけど、18歳未満専用だと決めつけるのは早計だ。
--抜け目のない広告ってことだね。でもビジネスチャンスがあるのはその点だけなの?
それはチャンスの1面にすぎない。企業はソーシャルネットワーキングがもたらす将来性に気付き、その可能性を模索し始めたばかりだ。その話題の中心は、オンラインハブとしてのソーシャルネットワーキングが将来どれだけ重要になるかということだ。
ソーシャルネットワーキングがメディアを配布し消費する巨大な存在になって、ウェブユーザーに、ユーザー自身のメディアを置いて共有する公共広場を提供することになる(ユーザーが作成したコンテンツが流行の様式であるWeb 2.0の自然な延長)と見ている人もいる。これは例えば、Cisco Systemsが話題にしていることだ。このネットワーク機器メーカーは2007年の早い時期に、企業が自社のウェブサイトにソーシャルネットワーキング機能を簡単に追加できるツールを開発している、ソフトウェア会社のFive Acrossの買収も実施したんだ。
それからもちろん、ネットワークによる個人用の就職ツールとしてのソーシャルネットワーキングもある。Linkedlnのように全職種向けのネットワークもあれば、Intellect Young Professionals’Networkのように、特定の業界に特化した小規模でニッチなサイトもある。
--他にはどんなふうにビジネスに役立つの?
ソーシャルネットワーキングは、例えばサプライヤとクライアントをグローバル市場で結び付ける方法として、新規ビジネスの立ち上げに利用できる可能性があるね。Reutersが開発中のInsightと呼ばれるソーシャルネットワークの背後にあるのはこのアイデアだ。2006年に立ち上げられたWireless Industry Partnershipという別のネットワークは、アイデアは同じでも無線技術に特化している。そして、Second Lifeのように、仮想世界を基盤としたソーシャルネットワークがある。Second Lifeには独自の通貨があり、仮想世界の中に、さまざまな金儲けの機会やネットワーク作りの場が用意されているんだ。
企業での典型的なソーシャルネットワーキングの用途は、組織内にコミュニティーの意識を築くツールとして使うことだ。コミュニケーションと共同作業のための共有空間を与えることで、部門を越えてスタッフを結び付ける。例えばCisco Systemsでは1500人の従業員がFacebookを使用しているが、コミュニティーを用意するための社内ツールは不要というわけだ。