パフォーマンスの情報とツール
Vistaの新機能として「パフォーマンスの情報とツール」コントロールパネルがある。これはコンピュータのハードウェアコンポーネントを分析し、「Windowsエクスペリエンスインデックス(WEI)」というスコアによって評価するものである。プロセッサやRAM、グラフィック機能(Aeroとゲーム、3Dとは個別に評価される)、プライマリハードディスクが個別に評価される。そして最も低いスコアがWEIの「基本スコア」として採用される。
スコアの範囲は1.0から5.9までである。一般的には、Aeroやその他の先進的な機能を快適に利用するためには、WEIの基本スコアとして3.0以上が必要だ。あなたのコンピュータのWEIを知るには、[スタート]−[コントロールパネル]−[システムとメンテナンス]−[パフォーマンスの情報とツール]をクリックする。
このツールを実行してみて、自分のノートブックPCでのVistaの使い心地がデスクトップマシンとこれほどまでに違う理由を理解できた。図Bと図Cに示すように、デスクトップマシンのハードウェアの基本スコアは5.1だったのに、ノートブックPCのそれは2.0しかなかった。
見てもらえばわかる通り、RAMのスコアは搭載メモリを1.5Gバイトにしたことで改善され、ハードディスクのスコアも問題はない。そしてプロセッサのスコアでさえ、境界値である3.0に近い。しかし、ノートブックPCのグラフィックアダプタのスコアはAeroを実行できる値には遠く及ばない。
この結果を見てわたしは次のような疑問を抱いた。ソニーはなぜ、VistaのBusinessエディションのインターフェースをスムーズに実行することができないこういったシステムに、Businessエディションをプリインストールして販売しているのだろうか?しかし、そのような疑問を抱いても、目の前の問題を解決できるわけではない。このコンピュータを満足に動作させ、少なくともVistaの新機能のいくつかは利用できるようにするために何ができるだろうか?
「パフォーマンスの情報とツール」は、Vistaのパフォーマンスを左右する複数のコンポーネントを容易に調整できるインターフェースも備えている。こういったオプションは、図Cを見てもらえればわかるように、ウィンドウの左側にある「タスク」ペインに表示されている。このインターフェースを用いて行えるパフォーマンス調整には以下のようなものがある。
- Vistaのロードを迅速化するためにスタートアッププログラムを管理する
- ビデオカードが能力不足の場合、Vistaのパフォーマンスを向上させるために視覚効果を調整する
- プロセッサの割り当てや、ページングファイルの場所やサイズといった、パフォーマンスに影響を与えるその他の詳細設定を調整する
- インデックス作成にリソースがとられ過ぎて他のアプリケーションが遅くなることを防ぐために、インデックスのオプションを調整する
- パフォーマンスのニーズと省電力のニーズのバランスをとるために電源設定を調整する
- Vistaがハードディスク上のデータにより迅速にアクセスできるよう、ハードディスクのクリーンアップを行う
- ディスクデフラグツールやタスクマネージャ、システム情報ツール、イベントログ、パフォーマンスの問題を診断し、それらを解決するための「信頼性とパフォーマンスモニタ」などの高度なツールを使用する