有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は6月28日、「MPack」と呼ばれる攻撃ツールの被害が主に海外で増加していることを受け、注意喚起を発表した。
MPackは、これまでの攻撃ツールと比較して管理プログラムの機能が多く、最新の脆弱性を攻撃するための攻撃コードを後から追加できるようになっていることが特徴。海外のウェブサイトで販売されており、入手が比較的容易であるという点から、今後国内でもMPackを用いた攻撃が急増することが懸念されるとしている。
この攻撃ツールは、ウェブサーバで稼働する管理プログラムと、被害者のコンピュータで実行される攻撃コードの2種類のプログラムで構成されており、攻撃者は攻撃コードをウェブサーバに配置し、何らかの手段で被害者を誘導する。被害者のコンピュータにMPackが対象とする脆弱性が存在する場合、攻撃者が準備した悪意のあるプログラムが実行されてしまう。
JPCERT/CCでは、サーバ管理者に対しウェブサイトで公開中のコンテンツが改竄されていないことを確認し、改竄が確認された場合はサーバが第三者に侵入されている可能性も含め、調査を行うことを検討するよう呼び掛けている。
またエンドユーザーに対しては、現在確認されているMPackは修正済みの脆弱性を使用しているため、OSとアプリケーションを最新の状態に保つことと、ウイルス対策ソフトを使用することで、被害に遭う可能性を減らすことができるとしている。