オープンソースと相互運用性についてGlyn Moody氏が書いた良い記事が、雑誌『Redmond Magazine』に掲載されている。Microsoftですら、ときには、オープンソースコミュニティに対し、われわれが行っている作業はすばらしいが、不足もあるということを知らせようとしているようだ。オープンソースが伝統的に不足している分野の1つが、部品を結びつけてエンドツーエンドのソリューションにするという点だ。Nick McGrath氏(私の友人であり、すばらしい人物だ)も次のように語っている。
Microsoftは数年前からオープンソースを攻撃しているが、おそらく最も議論されていない点は、Microsoftが自社製品で実現する密な統合がオープンソースにはないという点だろう。英国Microsoftでプラットフォーム戦略担当ディレクターを務めるNick McGrath氏は次のように述べている。「私がオープンソースソフトウェアで感じている問題点は、顧客が相互運用性と統合に関して抱えている問題に対処していないという点だ。オープンソースプロジェクトは、非常に限定されたポイントソリューションを提供する傾向が強い」。
McGrath氏の言葉は、プロジェクトが成熟するにつれて該当しなくなるが、ばらばらの業務ソフトウェアの間にシームレスな相互運用性(OracleやMicrosoftが提供する、あるいは提供しようとしているやり方で)を提供するオープンソースベンダーは存在しない。Red Hatは将来的にそうなる可能性がある、と私は賭けているが、いまのところその段階には達していない。
しかし、Glynが記事中指摘しているように、LAMP、Linux Foundation、Eclipseなどのさまざまなオープンソース組織が互換性問題を解決しようとしはじめている。そうだとしても、率直に言おう、業界においてわれわれはまだ、「PentahoとOpenBravoの間でシームレスな統合を実現しなければならない」というレベルにすら達していない。単にまだなのだ。われわれがいるレベルとは、顧客は統合したLAMP製品を望んではいるが、通常オープンソースアプリケーションを適用するとき、そのアプリケーションを提供するベンダーに、下にある各部品との統合を行ってほしいと思っている(そして、われわれはその通りにしている)レベルだ。
実際、現在最も重要なのは既存のITインフラとの一般的な統合だ。Zimbra、SugarCRM、Alfrescoはすばらしいソフトウェアを提供しているが、Zimbra、SugarCRMとのAlfrescoの統合性について、私は聞かれたことがない。なぜか?その理由は、オープンソースアプリケーションに対する需要が社内できちんと一本化されていないからだ。いまでも最初の導入は部門レベルで行われており、そこから広がっているというパターンだ。だから、いまのところは、「Red Hat、SUSE、MySQL(アプリケーションによるが、Tomcat、JBoss、Liferayがあがることもある)、そしてSAP、Oracle、Microsoftときちんと統合できるか」と顧客から聞かれる段階だ。
今後5年間、オープンソースのフォーカスは、オープンソースアプリケーションやインフラ技術と既存のプロプライエタリシステムとの統合となるだろう。その後、企業の関心は、技術的統合と会社のM&Aによるオープンソースアプリケーション間の統合がきちんとなされるかになるだろう。われわれはまだその段階に達していない。だが、この時代がいつかはやってくる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ