アクセラ、企業内検索用のインデックス更新を高速化する新技術を開発

柴田克己(編集部)

2007-07-06 21:07

 アクセラテクノロジは7月6日、大規模なエンタープライズサーチのインデックス更新を高速化する「イベント型インデクシング技術」を開発し、この技術を同社の企業向け検索システムのオプション製品として提供することを明らかにした。

 アクセラテクノロジ代表取締役社長の進藤達也氏は、エンタープライズサーチにおいて検索対象のコンテンツが大規模になった場合の問題として、検索用インデックスを更新するための「クローリング」にコンテンツ量とほぼ比例した時間が必要となってしまう点を指摘した。これまでの、検索対象となるストレージ全体を調べて、文書更新の有無を調べるクローリングの方式では、その時間がボトルネックとなり、タイムリーな情報共有ができなくなるケースも多くなっているという。

進藤達也氏 アクセラテクノロジ代表取締役社長の進藤達也氏。

 同社が開発した「イベント型インデクシング技術」では、ネットワーク上に流れるパケットを監視し、ファイル更新にかかわる処理が発生した場合に、それをトリガーとして検索用インデックスを更新するという手法をとる。これにより、クローリングに必要な時間はデータ更新が行われた数にのみ影響を受けるため、検索対象ストレージの容量増加にかかわらず、高速なインデックス更新が可能になる。

 性能向上の例として、1テラバイトのディスク上に4000万ファイルが存在し、うちテキストデータが0.1%程度と想定した場合に、従来の方式であれば、約2.7日かかっていたクローリング時間が、新技術の採用により、ほぼゼロになると説明している。

イベント型インデクシング技術 アクセラテクノロジが開発した「イベント型インデクシング技術」では、ネットワーク上に流れるパケットを監視し、ファイル更新にかかわる処理があった場合に、それをトリガーとして検索用インデックスを更新する。

 アクセラテクノロジでは、イベント型インデクシング技術を同社の企業向け検索システム「Accela BizSearch」のオプション製品として提供する。この「Accela BizSearchインデクシング高速化オプションNTFS用」の提供価格は、データ容量1テラバイトまでの場合が500万円。5テラバイトまでの場合が750万円。20テラバイトまでの場合が1000万円。データ容量無制限の場合が2000万円。今後3年間で300ライセンスの販売を目標とする。

 この「イベント型インデクシング技術」については、現在特許を出願中で、将来的に他社へのライセンス提供も行っていきたいとしている。

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