カネ、ヒト、時間いらずのIT内部統制--第7章:リスク対策のために(準備編) - (page 4)

木村尚義

2007-07-09 20:56

共有ファイルは削除したら消える

 この連載では、社員の共有データ(ファイル)はすべてサーバに置いておくことを推奨している。サーバに一括して置いておくことで、セキュリティ対策や、ログの取得、バックアップもサーバ1カ所を管理するだけで事足りる。

 ところが、この方法にも欠点はある。サーバに共有したデータをクライアントからネットワーク経由で削除すると「ごみ箱」には入らずに、そのまま完全に消去されてしまうのである。間違って上書きした場合も同様に、前の書類は無くなってしまう。これを完全に防ぐのは難しいが、Windows Server 2003以降に搭載されている「ボリュームシャドウコピー」という機能で、ある程度は軽減できる。

it07-03 「ボリュームシャドウコピー」機能を動かしておけば、間違えて消してしまったファイルを、従業員が誰の手も借りずにクライアントから修復できる。
it07-04 「ボリュームシャドウコピー」機能では、サーバ上の共有フォルダの内容について、一時的なバックアップを取ってくれる。この機能を使う場合も、バックアップは別途行っておくほうが望ましい。

 なお、ボリュームシャドウコピーは、残念ながらWindows 2000では使えない。また、Windows 2000までは、「使用中のファイル」に対しては、バックアップができなかった。つまり、頻繁に使うファイルほどバックアップができていなかったことになる。Windows Server 2003以降であれば、共有フォルダのバックアップに加えて、使用中のファイルもバックアップできる。

 ここで注意だが、Windowsクライアントのバージョンによっては、ボリュームシャドウコピー機能によって保護されたファイルを復活させるためソフトウェアが導入されていないケースがある。その場合は、サーバでボリュームシャドウコピーの設定をした後、マイクロソフトのサイトより「シャドウコピークライアント」と呼ばれるソフトをダウンロードし、導入する必要がある。

 次回は「バックアップ」および「ボリュームシャドウコピー」の設定の手順を解説する。

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