OSSによるソフトウェアビジネスの変革期に「仲介者」が果たす役割とは?--SpikeSource CEO - (page 2)

柴田克己(編集部)

2007-07-13 07:44

--日本において、SpikeSourceはNECをはじめとした数社とパートナーシップを結んでいます。今後の日本でのパートナー戦略について聞かせてください。

 NECが、日本における他のパートナーと特に違うところは、OSSへの投資を長期間続けてきた点でしょう。また、それらを、企業がすぐに使えるような形で既に提供してきた実績がある点です。NECのような形でワールドワイドにネットワークを持ち、ブランドが確立されていて、かつ開発に対するリソースを持っている企業はそれほど多くありません。

 SpikeSourceでは、適切な会社を選りすぐり、量よりも質でパートナーシップを結んでいく方針です。

--2007年2月、OSSのベンダーなどを中心とした「Open Solutions Alliance(OSA)」が発足しました。SpikeSourceはOSAの創立メンバーの1社でもありますが、OSAの目標について教えてください。

 OSAには、SourceForge、JasperSoft、Unisysなど、非常に幅広い企業が参加しています。そこでの取り組みはインタオペラビリティを確保し、APIをコモンセットとして提供していくことが目的になります。具体的には、シングルサインオン(SSO)、検索、共通の管理フレームワークなどです。これらの用途に対して、異なるアプリケーションをひとつひとつ手づくりするのではなく、このコモンセットを組み込んで、その上にアプリケーションを作っていくことが、これからどのような企業にも求められるようになるでしょう。

 最終的なゴールは、このアライアンスを通じて、企業がすぐに使えるようなOSSのソリューションを提供していくことです。

--一方で、Microsoftも相互運用性の確保を目的とした「Interop Vendor Alliance」を組織しています。OSAとIVAの関係は、どのようなものになるのでしょうか。

 こうした取り組みは、OSAとIVAの双方にとって良いものだと考えています。それは、顧客にとって、インタオペラビリティの問題を解決するために存在するものだからです。

 OSAでは、Microsoftに対しても認定を出すなど、非常に友好的な関係を保っています。実際に、ユーザーの半分近くは、Windows上でOSSを使っています。

 Microsoftにはいろんな側面があります。OSとしてのWindows側から見れば、その上でOSSを動かしたいでしょうし、一方でソフトウェアの面では、OSSと競合している部分も多くあります。非常に多様性が増しているゴールに対して、Microsoftがどのように整合性をとっていくかについては、興味を持って見ています。

Kim Polese氏 「OSSがソフトウェアビジネスのモデルを大きく変えつつある」と語るKim氏。同氏はかつてJava黎明期のSun MicrosystemsやMarimbaといった企業で活躍してきた経歴を持つ。

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