ストレージの仮想化とは--仮想化技術をひも解く(3)

谷川耕一 2007年07月18日 08時00分

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 今回は、仮想化の中でもストレージの仮想化について紹介する。ストレージの仮想化を説明しようとすると、どうしても専門用語が多数飛び交い、敷居が高くわかりにくい文章になりがちだ。ここでは、今なぜストレージの仮想化が必要なのかを中心に、なるべく安易で理解しやすい説明を心がける。

ディスク装置ではすでに仮想化が利用されている

 さて、皆さんがこの記事を読んでいるPCには、ドライブはいくつあるだろうか。Windowsならば、通常「C:¥」から始まり、D、Eといくつかのドライブがあるだろう。ハードディスクがCで、CDやDVDのドライブがDという場合もあるかもしれないが、DもEもハードディスクというPCもあるはずだ。このように1台のハードディスク上に複数のドライブがある場合は、仮想化技術を使っている。これは、前回までに説明した仮想化技術の分身のワザを使い、1台のハードディスクを複数のドライブに分割したことになる。

 それでは身近な例で、仮想化の合体ワザを使っているものは何だろう。それはRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)装置だ。技術的な細かい解説はここでは省略するが、RAIDは複数のハードディスクを合体させ1台のストレージ装置に見せかけることで信頼性や処理性能の向上を図る仕組みだ。

 では仮想化変身のワザはどうだろう。これを変身のワザと言ってよいかちょっと悩むが、例えばファイルサーバにある共有スペースを自分のPCのドライブに見せかけるよう設定している人もいるだろう。最近では流行のGoogleのGMailアカウント内のスペースを、Windowsの仮想ドライブとしてマウントできるツールも公開されている。これも、遠隔地のディスクスペースをあたかも手元のハードディスクのように見せる仮想化の変身ワザといえる。

昨今流行のストレージ仮想化とは

 とはいえ、ハードディスクのドライブ分割、RAID装置、仮想ドライブなどを「ストレージの仮想化」と呼ぶことはない。昨今流行のストレージの仮想化というと、まずはSAN(Storage Area Network)が登場し、NAS(Network Attached Storage)、iSCSI(Internet Small Computer System Interface)などの技術用語が飛び出すことになる。

 ストレージの仮想化では、企業内に複数導入されたストレージをいかにして効率化するかがその目的だ。技術的な用語は変わっても、複数あるストレージを合体させ、それを分割し、アプリケーションやサーバからはあたかも自分が占有できるディスク装置に見せかける。ストレージの仮想化においても、3つの仮想化技術を組み合わせ活用することには、なんら違いはない。

 簡単に現状のストレージの仮想化を解説してみよう。複数存在するストレージを、スイッチや仮想化アプライアンス、あるいは仮想化機能をもったストレージを介して1つに集約する。集約の方法は複数ありベンダーによっても異なる。そして、それぞれに長所、短所がある。

 こうして集約された1つの大きな仮想ストレージを、次は仮想ディスクに分割し、サーバやアプリケーションに再配布する。仮想化を実現するハードウェアやソフトウェアは、物理的なストレージ上のデータの位置と仮想化ディスクの関係をマッピングデータとして保持し、管理することになる。この一連の仮想化を、ブロックレベルの仮想化と呼ぶ。この方法では、1つの仮想化ディスクは1つのサーバあるいはアプリケーションに関連づけられる。

 対してもう1つの仮想化は、ファイルレベルの仮想化と呼ばれるもので、1つのストレージ領域(仮想化ディスクでもかまわない)を複数のサーバやアプリケーションから共有する技術だ。ストレージの領域を共有することで、個々に割り当てるよりもさらなるスペースの有効利用が可能となる。

 また、サーバのクラスタリングなどの際にもファイルレベルの仮想化技術は有効だ。クラスタの1つのノードに障害が発生し、リカバリーする際にこの仮想化を利用すれば、ストレージを接続し直す作業が簡単になる。さらに、VMwareなどを使ってサーバを仮想化した際の仮想マシンの移動にも、この共有の仕組みが効果を発揮する。

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