NEC(矢野薫社長)は7月13日、上海日電快通管理咨詢有限公司(NECSCM)を 通じて、日系企業を対象とした「迅速通関サービス」を4月に開始したと発表 した。中国でEDI(電子データ交換)システムを活用した迅速通関サービスを 提供するのは今回が初めて。NECでは今後3年間で約20社への提供を見込んでい る。
NECが上海の税関関連部門と協力して構築したEDIシステムを活用して、日系 企業が上海で行う輸出入の税関手続き業務を効率化し、申告処理に必要な期間 を大幅に短縮する。これまで各企業が保税地区に設置した端末装置から手作業 で入力する必要があった貨物の搬入申告業務を、各社のサプライチェーンシス テムからNECのEDIシステムを経由して直接実施できるようにし、期間の短縮と 同時にサプライチェーン全体の可視化・効率化を実現する。
NECSCMでは同サービスの本格展開にあたり、NECと住友商事、上海市の投資 公司による、総額約2億円の増資を実施。今後はこの資本を元にEDIシステムの 機能強化を図り、海運・空運マニフェスト(積荷目録・管理表)管理や電子手 冊への対応、大上海圏(上海市、江蘇省、浙江省)異地通関サービスを段階的 に提供する。