例えば、下図のエラー「Syntax error」は、構文・文法(Syntax)エラーといって、スクリプトの文章(コード)がその文法に従って書かれていない場合に登場する。文法に従って書かれていないコードは、コンピュータにとっては意味不明なものとなる。このエラーの場合、「上から2行目の左から41文字目がエラーですよ」と教えてくれている。
コードは、日本語や英語のような人間の言語とは異なる文法と文字列で表現される。さらに( )や{ }や;などの記号も使われる。しかし、これらを少しだけわかっていないと前に進めないので、前ページのスクリプトを参考にしながら簡単に解説しよう。
まず、このスクリプトでオレンジ色になっている「/」の部分だが、ここは、コンピュータによって無視される。この部分は普通、コメントを入れたり、スクリプト各部における実行内容をメモしたりするために使われる。そして、コンピュータは、この部分に続けて人間が書いたコードを上から順番に1つずつ見ては1行ずつ実行する。とても素直に。
そして、このスクリプトだが、オレンジ色の部分を除けば、下図のスクリプトと内容的に同じものである。違いは改行しているかどうかだ。
スクリプトは、このような短いものばかりとは限らない。長いスクリプトの場合、見やすくなるよう、括弧の部分、つまり、{ }や( )で改行する。例えば、多くの関数を使っている場合、1行だと見にくくなってしまう。また、多人数で作業をする場合、コメントを付ける、または、どこからどこまでがどういう処理をしているのかを見やすいように書くのがマナーであり、それがルール化されている場合もある。ただし、括弧で改行することが必須ではない。文法に従っていれば、自由なスタイルでプログラミングをして、自由に改行すればよい。忘れっぽい人は、「/」を使ってコメントをたくさん書いてもいい。すべては個人の自由だ。堅苦しく考える必要はない。
説明が後回しとなってしまったが、このスクリプトが何をするためのものかと言えば、「チャットウィンドウで『Hello , Avatar!』と表示する」ためのスクリプトだ。実行すると、ビューワ画面左下に「Object : Hello, Avatar!」と表示される。この表示テキストを指定しているのが「llSay(0, "Hello, Avatar!")」となる。