日本ヒューレット・パッカード(日本HP)と日本ティブコソフトウェアは、2006年5月にスタートしたSOA(サービス指向アーキテクチャ)分野における提携を、BPM(ビジネスプロセス管理)およびCEP(複合イベント処理)に拡大した新しいプログラム「HP Integrity and TIBCO Solution Acceleration Program in Japan」の提供を開始する。近く正式に発表される予定。
この新しいプログラムは、日本ティブコのBPM製品「Tibco iProcess Suite」、CEP製品「Tibco BusinessEvents」、SOA製品「Tibco BusinessWorks/EMS」を、Itanium2を搭載した日本HPのエンタープライズサーバ「HP Integrity Server」に搭載し、包括的なSOAソリューションとして提供するもの。SOAベースのより実践的なBPMやCEPの構築を目指す大企業向けに提供される。
日本HP 第一営業統括本部 アライアンス営業推進本部 BI/EAIアライアンス担当マネージャ、藤本康秀氏は、「日本市場において、近年Itanium2搭載サーバに対するニーズが高まっている。それに応えることを目的に日本ティブコでは、TibcoおよびHPの米国本社の提携に基づき、Tibco製品のItanium2対応を最重要課題として認識。各製品のItanium2対応を推進し、日本HPはそれに協力している。今回の発表はその成果のひとつ」と話す。
両社は同プログラムを、日本ティブコが得意とする金融および通信の分野に加え、日本HPが得意とするリテール分野に展開していく計画だ。また、今後の重点分野として、製造業やロジスティクス分野向けにも展開。両社による継続的な広告展開や共同イベントの開催、共同ブローシャの作成などを通じて拡販していく。さらに両社のパートナー企業とも協業することで、官公庁をはじめとするそのほかの業種へも積極的に展開していく予定という。
藤本氏は、「Itanium2対応のTibco製品としては、2006年の提携以降、順次提供を開始している。今後はさらに事業領域を拡大し、日本ティブコが提供するSOAソリューションの新製品であるTibco ActiveMatrixをHP Integrity Serverにポーティングする計画。顧客企業の全社的なSOA導入を両社で支援していきたい」と話している。
これまで企業におけるSOAの実装では、ソフトウェアについてのみ語られることが多かった。しかしSOAは、企業の基幹システムを支えるソフトウェアアーキテクチャであり、それを稼働させるためのハードウェアプラットフォームにも高い信頼性や可用性、そしてパフォーマンスが求められる。
また、最適なシステムの導入/運用コストも考慮することが重要になる。両社の提携は、TibcoのSOA製品群をHPのサーバ製品に最適化させ、ハードウェア、ソフトウェアの両面からSOA構築を包括的に支援することを目的としている点が他のSOAベンダーとの差別化ポイントといえる。