業界タイムマシン19XX--Trip7:哀・おぼえていますか?(後編) - 2/7

大河原克行

2007-07-27 17:44

 ……ようこそ、「業界タイムマシン」のコックピットへ。私は、ナビゲーターの大河原克行です。このコーナーでは毎回、IT業界の歴史を、当時の写真を交えながらご紹介していきます。
 さて、今回のテーマは、「哀・おぼえていますか?(後編)」です。
 前編では、マイクロソフトの「AT WORK」、IBMの「OS/2」など、発表時点では大きな注目を集めながら、激動の歴史の荒波に揉まれ、消えゆく運命をたどった製品、コンセプトを紹介しました。今回も引き続き、刻の狭間へと消えていった製品などを振り返ってみます。
 それではこれから、あなたをIT業界の過去へと誘います……。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)
 アップルが1993年に投入したのが「ニュートン・メッセージパッド」だ。同年8月2日に米国で発売されて以降、2か月で5万台を出荷。発売当初はアップルや業界の予測を上回る出足となったが、パワーユーザーの購入が一巡してからは売れ行きが鈍化し、苦戦を強いられることになった。苦戦の要因はいくつかある。米国での基本価格は669ドルに設定され、独白の「アップル・オンライン・サービス」により、電子メールやデータベースといった有償サービス提供のモデルを立案していたが、この仕組みが受け入れられなかったこと。フル装備のモデルでは1200〜1500ドルと高価であったこと。メッセージ機能と手書き認識機能が不完全であったこと。パーソナル・コミュニケータの必須機能といえる外部通信機能に劣っていたことなどだ。ちなみに、ニュートンの発売を前にして、CEOおよび会長を辞任したJohn Sculley氏は、その後、ベンチャー企業のSpectrum Information TechnologiesのCEOに就任したが、Spectrumの技術を使い、ニュートンが移動体通信ネットワークを通じて、FAXに手書きメッセージを送る実験を見てから、同社に強い関心を抱いていたとの逸話が残っている。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

 アップルが1993年に投入したのが「ニュートン・メッセージパッド」だ。同年8月2日に米国で発売されて以降、2か月で5万台を出荷。発売当初はアップルや業界の予測を上回る出足となったが、パワーユーザーの購入が一巡してからは売れ行きが鈍化し、苦戦を強いられることになった。苦戦の要因はいくつかある。米国での基本価格は669ドルに設定され、独白の「アップル・オンライン・サービス」により、電子メールやデータベースといった有償サービス提供のモデルを立案していたが、この仕組みが受け入れられなかったこと。フル装備のモデルでは1200〜1500ドルと高価であったこと。メッセージ機能と手書き認識機能が不完全であったこと。パーソナル・コミュニケータの必須機能といえる外部通信機能に劣っていたことなどだ。ちなみに、ニュートンの発売を前にして、CEOおよび会長を辞任したJohn Sculley氏は、その後、ベンチャー企業のSpectrum Information TechnologiesのCEOに就任したが、Spectrumの技術を使い、ニュートンが移動体通信ネットワークを通じて、FAXに手書きメッセージを送る実験を見てから、同社に強い関心を抱いていたとの逸話が残っている。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

写真提供:大河原克行

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