Oracle Database 11gの先にあるものは?--OOW APACでOracle社長とVPが語る

大野晋一(編集部) 2007年07月31日 19時59分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Oracle OpenWorld Asia Pacific 2007の本格的な開幕となる31日、Oracle社長のCharles Phillips氏が登壇し、「Oracleのビジネスにはデータベース、ミドルウェア、アプリケーションの3つの柱がある。データベースに蓄えられる情報は意志決定の源泉であり、このビジネスはいまだに重要。今年で30周年となるOracleは、Oracle Databaseとともに不断の成長を遂げてきた」と述べた。

 Oracleは11日にOracle Databaseの次世代版「11g」を発表している。11gには既報の通り、400を超える様々な新機能がある。Charles Phillips氏は「IBMやMicrosoftにはない数々の機能を備えている」と、Oracle Databaseがナンバー1であることを強調する。また、データベースからミドルウェア、アプリケーションに至るまで「Complete and Openを実現できるのはOracleだけ」と、これまで通り、カバレッジの広さを強調した。

Charles Phillips氏 「Oracle Database 11gには同社30年分のイノベーションが盛り込まれている」とOracle社長のCharles Phillips氏。

 続いて登壇したエグゼクティブバイスプレジデント、 Oracle Server TechnologyのChuck Rozwat氏は、数ある新機能の中でも特にILMに則ったデータアーカイブ機能とアプリケーションテスティングの機能の紹介に時間を割いた。

 同氏は、頻繁に読み書きする必要のあるデータは5%というデータを引き合いに出し、補完しておく必要はあるもののあまり使われないデータや更新されないデータは、低速なストレージや読み取り専用ストレージに移してしまえばストレージのコストを大幅に下げることができる、と11gの新機能を紹介する。

 同氏の紹介を受けて登壇したYahoo! Director of Engineering OperationsのMason Ngは、Yahoo!のように膨大なデータを持つ企業にとって「11gのデータ圧縮やパーティショニングの機能は増え続けるデータを安価に蓄積するのに有用」と新機能を賞賛した。

 また、11gのアプリケーションテスティングは、実稼働システムの利用状況をキャプチャして、テスト環境に実稼働環境と同じ利用状況で同じ負荷をかけることができる。これまで数カ月かかって構築していたテスト環境が2週間以内に構築可能になるという。

 「実際の利用状況を反映できるため、バージョンアップのリスクも最小限に。新しいハードウェアやソフトウェアの利点を早期かつ容易に享受できる」(Rozwat氏)。特に、金融やテレコムなど、多数の商品がめまぐるしく入れ替わるような業界では、競合優位性につながる。

 こうした多数の新機能がありながらも、同氏は「11gはグリッドを次の世代にもっていくもの」と、10gと同じく、11gのキーメッセージをグリッドに据える。

 11gでは、Oracle Databaseのグリッドを実現するReal Applications Cluster(RAC)のパフォーマンスが向上したほか、管理性など多岐にわたるグリッドが強化も行われている。具体的には、グリッドを構成する全ノードを同時にパフォーマンスチューニングする機能などが実現されてる。また、自動的な点検の機能があるシステムで起こった障害を特定し、その動きをキャプチャ、自動的に修正する機能など、グリッドによって増加したインスタンスの管理を助ける機能も提供される。

 Chuck Rozwat氏は、同日、設けられたメディア向けのカンファレンスにおいてはOracle Databaseの11gより先の将来にも触れた。同氏が挙げていた強化点の中でも興味深かったのが「インデックスの作成、バックアップ、パッチの適用、バージョンアップといったあらゆる機能でオンライン操作が利用できるようにしていきたい」というもの。停止しないシステムの実現を安価に行おうという考え方だ。

 また、「Oracleとしてはあくまでリレーショナルモデルのデータベースに投資する」ともし、XML専用データベースやオブジェクト指向データベースといったものへの投資は現状予定していないとも語った。ほかに同氏が興味のある分野として挙げられたのが「Semantic Data Model」--Web 2.0でも注目されている、ユーザーのアクションによって最適なデータを提供しようというコンセプトだ。

Chuck Rozwat氏 Oracleでサーバ関連のテクノロジを統括するChuck Rozwat氏。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
開発

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化