この次世代アーキテクチャは、たとえばInformation Management分野における複数のデータソースおよびデータタイプへのアクセスや流動的なビジネスプロセスへの対応、Information Mobility分野における異なるデバイスやOSに対するプラットフォームやサービスの開発、複数のアプリケーションに対するプロビジョニングや安全性の確保などの課題をひとつのプラットフォーム上で解決することができるもの。
データサービス、モバイルミドルウェアサービス、デバイスサービス、統合アプリケーション開発ツール、管理コンソールで構成され、メッセージングサービスを経由して、データベース上の構造化データから、ドキュメントやメール、マルチメディアデータなどの非構造化データまで、さまざまなデータソースへのアクセスを、あらゆるデバイスから可能にすることができる。
Chen氏は、「Sybaseは次世代アーキテクチャにより、Unwired Enterprise戦略を今後も拡大し続けていく。ただし我々は、こうした世界を1社の独占により実現しようとは思っていない」と話す。そこで重要になるのがパートナー戦略という。
Sybaseでは、Information Management分野において2006年よりIBMとストラテジックパートナー契約を結んでいるが、今回のTechWave 2007ではInformation Mobility分野において台湾のスマートフォンメーカーであるHigh Tech Computer(HTC)との提携を発表した(関連記事参照)。
Chen氏に紹介されて基調講演のステージに登場したHTCのグローバルエンタープライズビジネスユニット担当ゼネラルマネジャー、Johnson Sher氏は、「HTCのWindowsモバイルデバイスとSybaseのソフトウェアを組み合わせることで、管理性やセキュリティに優れた強力なエンタープライズ向けWindowsモバイルデバイスソリューションを確立できる」と話す。
一方、IBMのIBM System p担当ゼネラルマネジャー、Ross Mauri氏は、「IBMとSybaseは、発熱効率やパフォーマンス、仮想化、ビジネスインテリジェンス(BI)など、今後のデータセンターのあり方において明確な方向性を共有している。こうした取り組みにより、24カ月で275社以上の新しい顧客を獲得することができた」と話している。
Chen氏は、「我々は、1000社を超えるパートナー企業と20万以上のSybase Developer Network(SDN)メンバーに支えられている。こうした協力関係により、96%の顧客が我々の製品やサポートに満足してくれている。また、2006年には800社を超えるAdaptive Server Enterprise(ASE)の新規顧客を獲得することができたことに感謝している」と話している。