業界タイムマシン19XX--Trip8:グループウェア市場を作ったLotus Notes - 2/5

大河原克行

2007-08-10 12:00

 ……ようこそ、「業界タイムマシン」のコックピットへ。私は、ナビゲーターの大河原克行です。このコーナーでは毎回、IT業界の歴史を、当時の写真を交えながらご紹介していきます。
 動きの速いIT業界に身を置いていると、はるか昔と思っていたことが、実は、つい最近のことだったという、ちょっとしたタイムトリップのような体験をすることがあります。「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」ともいわれるIT業界。時の濁流の上澄みを、そっとすくい上げてみましょう。
 さて、今回のテーマは、「グループウェア市場を作ったLotus Notes」です。
 「グループウェア」という言葉すら定着していなかった1989年に発表された「Lotus Notes」は、コミュニケーションツールあるいは、ワークグループソフトとも表現され、発売と同時にPricewaterhouseが1万本の導入を決定するなど、北米市場において鳴り物入りでデビューしました。そうした大手企業での導入実績を引っさげて、1993年には日本に上陸。現在でも、グループウェア市場において、リーダー的存在を担っています。今回は、Lotus Notesの日本上陸当時の様子を振り返ってみましょう。
 それではこれから、あなたをIT業界の過去へと誘います……。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)
 米国でLotus Notesの構想が発表されたのは1988年。1989年後半には米国で製品として発表。91年には早くも米IBMとの販売提携を発表し、販路拡大の礎を作った。1995年には、IBMによってLotusが買収されたが、当時から、IBMの狙いはNotesにあったと囁かれていたほど、企業の生産性を高める戦略的ツールとして高い注目を集めていた。
 写真は、Lotus Notes日本語版の発表会見で挨拶するロータス社長の菊池三郎氏(当時)。1993年、Notesを日本に初めて投入した時期には「ワーキングトゥゲザー」がロータスのキーワード。「アミプロ、1-2-3、フリーランス、cc:Mailに、新たにNotesが加わったことで、ようやくワーキングトゥゲザー製品群が完成した」と菊池氏はコメントしていた。36社のVAR、ハードメーカーなどを通じて販売する体制を一気に整え、初年度の販売目標は5万ユーザーに設定。その時の米国での累計導入実績は2600社、約50万ユーザー。まずは、全世界の1割を目指すという外資系企業らしい発想の数字だったといえよう。ちなみに、当時、米LotusのCEOを務めていたJim Manzi氏は、マッケンジー日本支社に勤務した経験の持ち主。日本の市場を熟知していただけに、日本における1-2-3の拡販や、Notesの立ち上げにもかなり深く関与していた。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

 米国でLotus Notesの構想が発表されたのは1988年。1989年後半には米国で製品として発表。91年には早くも米IBMとの販売提携を発表し、販路拡大の礎を作った。1995年には、IBMによってLotusが買収されたが、当時から、IBMの狙いはNotesにあったと囁かれていたほど、企業の生産性を高める戦略的ツールとして高い注目を集めていた。

 写真は、Lotus Notes日本語版の発表会見で挨拶するロータス社長の菊池三郎氏(当時)。1993年、Notesを日本に初めて投入した時期には「ワーキングトゥゲザー」がロータスのキーワード。「アミプロ、1-2-3、フリーランス、cc:Mailに、新たにNotesが加わったことで、ようやくワーキングトゥゲザー製品群が完成した」と菊池氏はコメントしていた。36社のVAR、ハードメーカーなどを通じて販売する体制を一気に整え、初年度の販売目標は5万ユーザーに設定。その時の米国での累計導入実績は2600社、約50万ユーザー。まずは、全世界の1割を目指すという外資系企業らしい発想の数字だったといえよう。ちなみに、当時、米LotusのCEOを務めていたJim Manzi氏は、マッケンジー日本支社に勤務した経験の持ち主。日本の市場を熟知していただけに、日本における1-2-3の拡販や、Notesの立ち上げにもかなり深く関与していた。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

写真提供:大河原克行

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