業界タイムマシン19XX--Trip8:グループウェア市場を作ったLotus Notes - 5/5

大河原克行

2007-08-10 12:00

 ……ようこそ、「業界タイムマシン」のコックピットへ。私は、ナビゲーターの大河原克行です。このコーナーでは毎回、IT業界の歴史を、当時の写真を交えながらご紹介していきます。
 動きの速いIT業界に身を置いていると、はるか昔と思っていたことが、実は、つい最近のことだったという、ちょっとしたタイムトリップのような体験をすることがあります。「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」ともいわれるIT業界。時の濁流の上澄みを、そっとすくい上げてみましょう。
 さて、今回のテーマは、「グループウェア市場を作ったLotus Notes」です。
 「グループウェア」という言葉すら定着していなかった1989年に発表された「Lotus Notes」は、コミュニケーションツールあるいは、ワークグループソフトとも表現され、発売と同時にPricewaterhouseが1万本の導入を決定するなど、北米市場において鳴り物入りでデビューしました。そうした大手企業での導入実績を引っさげて、1993年には日本に上陸。現在でも、グループウェア市場において、リーダー的存在を担っています。今回は、Lotus Notesの日本上陸当時の様子を振り返ってみましょう。
 それではこれから、あなたをIT業界の過去へと誘います……。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)
 Lotus Notesの生みの親が、写真のRaymond Ozzie氏である。Lotusは、Ozzie氏が設立したIris Associatesに、設立時点から出資を行い、1994年には完全に傘下に収めることになる。Ozzie氏は、たびたびに日本にも来日し、Notesのコンセプトを説明。「グループウェアという概念がなかった1983年頃から、コミュニケーション、コラボレーション、コーディネーション、カスタマイゼーションという4つのコンセプトをベースに開発してきたのがNotesである」とした。1995年の米IBMによるLotus買収後、Ozzie氏の去就が最大の注目点であったことは間違いなかった。米国では、次期Notesが完成するまでは同社に留まるという異例の声明が発表されたほどだ。1997年にはGroove Networksを設立し、ピア・ツー・ピア型のコラボレーションソフトを開発。2005年には、Lotusと敵対的な関係にあったMicrosoftがGroove Networksを買収。2006年からは、Bill Gates氏が務めていたMicrosoftのCSA(チーフ・ソフトウェア・アーテキクト)をOzzie氏が引き継ぎ、同社の次世代ソフトウェア戦略を指揮する立場にある。この運命は、写真が撮影された当時には想像できなかったことである。
 さて、今回の「業界タイムマシン」の旅はいかがでしたか。次回のタイムトリップでもご一緒できることを楽しみにしています。
 ナビゲーターは大河原克行でした。

 Lotus Notesの生みの親が、写真のRaymond Ozzie氏である。Lotusは、Ozzie氏が設立したIris Associatesに、設立時点から出資を行い、1994年には完全に傘下に収めることになる。Ozzie氏は、たびたびに日本にも来日し、Notesのコンセプトを説明。「グループウェアという概念がなかった1983年頃から、コミュニケーション、コラボレーション、コーディネーション、カスタマイゼーションという4つのコンセプトをベースに開発してきたのがNotesである」とした。1995年の米IBMによるLotus買収後、Ozzie氏の去就が最大の注目点であったことは間違いなかった。米国では、次期Notesが完成するまでは同社に留まるという異例の声明が発表されたほどだ。1997年にはGroove Networksを設立し、ピア・ツー・ピア型のコラボレーションソフトを開発。2005年には、Lotusと敵対的な関係にあったMicrosoftがGroove Networksを買収。2006年からは、Bill Gates氏が務めていたMicrosoftのCSA(チーフ・ソフトウェア・アーテキクト)をOzzie氏が引き継ぎ、同社の次世代ソフトウェア戦略を指揮する立場にある。この運命は、写真が撮影された当時には想像できなかったことである。

 さて、今回の「業界タイムマシン」の旅はいかがでしたか。次回のタイムトリップでもご一緒できることを楽しみにしています。

 ナビゲーターは大河原克行でした。

写真提供:大河原克行

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