「ITの世界には、技術者の力を証明するための資格は、たくさんあります。そうした多くは、ベンダーが認定した教材やコースに基づいたものです。では、Linux/OSSの場合はどうすればいいのか、という問題があります。Linux/OSSの分野で、何がスタンダードで、何が軸となるのかが決められていない。この問題は、Linux/OSSを中心とした教育を提供する側も受ける側も悩んでいる問題なんです」
たとえば、マイクロソフト製品ならマイクロソフトが認定する資格、シスコシステムズ製品であればシスコシステムズが認定する資格、といったように、それぞれの資格はそれぞれのベンダーが認定するものであり、そこには“スタンダード”とされる認定研修コースも存在している。だが、単一のベンダーではなく、基本的にはコミュニティーによって支えられているLinux/OSSの世界では、スタンダードな研修コース・資格が存在しにくいのである。
こうした課題に対して、濱野氏は「Linux/OSSの世界でも教える側も教えられる側も、悩まなくてすむようなスタンダードがあってもいいのではないか」と考えている。
「そうしたLinux/OSSの世界で技術者を育成するためのスタンダードは、リナックスアカデミーが提示できるのではないかと思っています。個人的な思いですが、そうしたスタンダードなものをリナックスアカデミーが公開して、みんなで共有してもいいのではないかと思っています」