ISP事業者および企業向けのセキュリティ製品を提供する米Cloudmarkは8月27日、オープンソースのスパムフィルタリングソフトウェア「Apache SpamAssassin」のスパム検知機能を強化する新製品「Cloudmark Authority for Apache SpamAssassin」を発表した。この製品の導入により、SpamAssassinにおけるスパム検知率を約50%向上させることができるという。
Cloudmarkは、2001年に設立された、スパム、フィッシング、ウイルス対策ソリューションの提供企業。カリフォルニア州サンフランシスコに本部を置き、FT Ventures、Ignition、住友商事(Presidio)らからの投資を受けている。主な製品は、既存のメールプラットフォームと統合して利用する「Cloudmark Authority」および、MTAとAuthorityを統合した「Cloudmark Gateway」である。
日本での既存顧客は、主に大規模なISPであり、OCN(NTT)、So-net、ドリームトレインインターネット、ビッグローブ(NEC)などへの導入実績がある。
今回発表された、「Cloudmark Authority for Apache SpamAssassin」は、メールセキュリティ対策としてApache SpamAssassinを既に導入している中堅以下のISPおよび企業に向けた製品。大規模ISPで既に実績のある同社のアンチスパム技術を、より幅広いユーザーに向けて提供するものという。
Cloudmark、North America and Asia Pacific SalesバイスプレジデントのCurt Lewis氏によれば、同社技術の特徴は、「Advanced Message Fingerprinting」と呼ばれるメールのスキャン技術と「Global Threat Network」と呼ばれる、ユーザーフィードバックの仕組みにあるという。
Advanced Message Fingerprintingは、メールに「フィンガープリント」と呼ばれるハッシュデータを付加し、独自のアルゴリズムで高速かつ低負荷なスパム判別を行う技術。また、Global Threat Networkは、全世界のCloudmarkユーザーからのフィードバックを、レポーターの信頼度を加味して自動的にデータベース化し、スパム判別に利用するというものだ。
「スパム判別の技術には、さまざまなものがあるが、スキャンのスピード、システムへの負荷、精度のいずれにおいても、Cloudmarkの技術が優れていると確信している。今回の新製品は、SpamAssassinを既に導入している多くのユーザーに対して、経営の効率化と管理コストの削減を可能とするものだ」(Curt氏)
Cloudmark Authority for Apache SpamAssassinには、メールボックス数に応じたライセンス料金が設定される。体験版は同社ウェブサイトよりダウンロードが可能だ。なお、「Authority」については将来的に、Microsoft Exchange対応の製品なども計画しているという。