Eric Raymond氏は、同社のOffice Open XML(OOXML)標準化をめぐる失態に続いて、Microsoft Permissive LicenseがOpen Source Initiative(OSI)の承認を受けられないかもしれないと警告した。
Microsoftは、同社が展開しているOOXML仕様のISO標準承認の取得活動をめぐってOSIの有力メンバーから厳しく批判されている。
OSIの創立メンバーであるEric S. Raymond氏は、MicrosoftがOOXMLの早急なISO承認を求める強引なやり方を「言語道断である」とし、Microsoft Permissive LicenseがOSI承認を得られないように提言する用意がほぼできていると述べている。
OSIは「オープンソースの定義(Open Source Definition:OSD)の番人」であり、ライセンスがOSDに準拠しているかどうかを審査、承認する団体である。Microsoftは8月10日、Microsoft Permissive LicenseをOSIの承認取得のために提出した。OSDは、ソフトウェアをオープンソースとして分類するIT業界で最も広く受け入れられている一連の基準である。
Raymond氏は、OSIの公式な立場について「OSIはMicrosoftから提出されたあらゆるライセンスをその実体的な真価に基づいて公平かつ厳正に審査する。これがあくまでOSIの立場である」と述べている。しかし、同氏は、「MicrosoftのOOXMLに対する過去数カ月の振る舞いが実にひどい」ため、「その決意がひどく試されている」と語っている。
「Microsoftは、一貫性を欠き、技術的に偽物で、しかも独占の固定化を目的としていることが明白な道具を「標準」として押し通す行為をやめていない。彼らは(中略)得票の水増しや委員の抱き込みといった手段に訴え、(中略)ISO自身のガイドラインを大きく違反した方法によってISOの標準化プロセスに押し込めようとしている」とRaymond氏は批判している。
「私は過去の決意を翻し、たとえMicrosoftのライセンスが技術的にOSDに準拠していたとしても、OSIが同社に対してそのライセンスを自社のルートで推進するように通告するべきだと勧告する意向をほぼ固めている。OSDの精神を踏みにじろうとしているなら、OSDに準拠することに何の価値があるのだろうか?」とRaymond氏はブログに書いている。
本稿執筆時点では、Microsoftにコメントを求めたが返答は得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ