MSは脅威ではない、ただし戦う余地はある--VMwareのCEO、Greene氏に聞く

藤本京子(編集部) 2007年09月14日 01時51分

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 米国サンフランシスコにて開催されたVMware主催の仮想化イベント「VMworld 2007」は、参加者1万人以上という大型イベントとなった。活性化する仮想化市場と、その市場をけん引するVMwareの社長兼CEOのDiane Greene氏は、この状況をどう見ているのか。日本好きだというGreene氏が、日本からの報道陣のインタビューに答えた。

--IPOを果たして潤沢な資金を得たと思いますが、その使い道は?

Greene氏 笑顔でインタビューに応じるVMwareのGreene CEO

 まず親会社のEMCに配当金を支払ったのはもちろんですが、VMwareとしては買収に資金を使いたいと考えています。

 技術的には、VMwareの提供する仮想インフラの機能を向上させる新しい分野に興味があります。また、ソリューション分野でも、シンクライアントのコネクションブローカーを提供するProperoの買収や、仮想マシンのイメージをコピーするソフトウェアを持つAkimbi Systemsの買収、そして11日に発表した管理ソフトを提供するDunes Technologiesの買収などがいい例ですが、顧客の望むソリューションの提供につながる企業があれば今後も買収の対象として考えたいと思います。

--仮想化については、技術開発よりも普及活動に注力すればいいのでは、という人もいますが。

 技術的にもまだ発展の余地はあります。ハイパーバイザーではサービスコンソールのいらない「VMware ESX Server 3i」を発表したばかりですし、プロセッサメーカーも仮想化技術への対応に積極的で、これも仮想化の信頼性や性能の向上に貢献しています。

 また、仮想化環境でのセキュリティを高め、アプリケーションのQoSを保証していかなくてはなりませんし、ソリューションとしてデータセンターの完全自動化も目指しています。つまり、まだ技術革新の方法はいくらでもあるということです。

--競合についてどうお考えか聞かせてください。特にMicrosoftは次期サーバOSの「Windows Server 2008」に仮想化機能を搭載してきます。これはVMwareにとって脅威となるでしょうか。

 x86ベースの仮想化においては、VMwareの仮想化ソフトが一番信頼性の高いものだと確信しています。Microsoftの仮想化機能は、ユーザーがどうしても必要だと考える一部分の機能しか提供していません。例えばMicrosoftは、仮想マシンを止めることなくライブで移行させることが可能な「V-Motion」のような機能は提供していません。

 ただ、仮想化の世界はこれからもっと発展していくため、VMwareにとってもMicrosoftにとっても戦いの余地はあるでしょう。

--では、XenSourceについてはどうでしょう。8月にCitrix SystemsがXenSouceの買収を発表しましたが、この買収についてどう見ますか。

 Citrixとはパートナーだったんですが、競合になってしまいましたね。ただ、XenSouceのハイパーバイザーはまだ先が長いと見ています。また、VMwareはCitrixよりも統合的なソリューションを提供しています。VMwareはどんなアプリケーションにも対応していますし、シンクライアントを利用する各個人に対して仮想環境を提供できます。Citrixは、われわれの仮想デスクトップソリューション「Virtual Desktop Infrastructure(VID)」を脅威に感じ、何とかしなくてはと考えたのではないでしょうか。

--今後の製品がどうなっていくのか、聞かせてください。

 それは発表していないので言えません。ただ、積極的に活動していることは確かで、将来の製品はよりコスト効率も信頼性も安全性も向上したものになるでしょう。

--仮想化環境をより活性化するためには、ソフトウェアベンダーのライセンスが仮想環境に対応していることが大前提となります。ただすべてのソフトウェアベンダーが対応しているわけではありません。この問題をどう見ていますか。

 すでにMicrosoftやSAP、IBMの製品をはじめとする500以上のアプリケーションが仮想化環境でのライセンスを提供しています。大手で対応していないのはOracleだけではないでしょうか。

 ただし、VMwareのユーザーでOracleを使っている企業は多く、顧客側からの要望は高いでしょうから、Oracleもそれに対応していく必要が出てくるでしょう。

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