こうした課題を解決するひとつのアイデアが、アリゾナ州立大学から発表されているという。
同大学では、1995年〜2005年にさまざまなIT投資を行ってきたが、この期間にコンシューマサイドにおいてもさまざまなサービスが登場している。こうした中、同大学の最高技術責任者は、「エンタープライズのテクノロジのすべてを大学内で抱え込むのは現実的ではない」と考えたという。
そこで、「エンタープライズ分野で使えるコンシューマテクノロジやサービスは、積極的に採用していくのが効果的である」というアイデアがランチタイムにまとめられ、レストランの紙ナプキンに書かれて報告された事例を大須賀氏は紹介した。
同氏は、「現在、アリゾナ州立大学では、Googleのテクノロジが採用されている」というちょっとした宣伝も忘れなかった。
なぜGoogleなのか?
それでは、なぜGoogleだったのか?
理由のひとつは、「Googleがユーザーにフォーカスしている会社であるということ。Googleのテクノロジは、すでに何億人というユーザーに利用されており、この数こそがGoogleの有効性を証明している」と大須賀氏。
また、エンタープライズ分野では、機能やテクノロジだけにフォーカスしてしまいがちだが、Enterprise2.0やWeb2.0的なコラボレーションを実現するのであれば、「まずユーザーにフォーカスすべきだ」と付け加えた。
つまり企業であれば、まずシステムを利用する社員にフォーカスしなければならないということだ。いつでも、どこからでも、どんなデバイスでも情報にアクセスできる環境を実現することが重要になる。
同氏はまた、「イノベーションのスピードやオープン性などもGoogleの強みのひとつ」と話している。Googleでは、さまざまなAPIを公開しており、これを有効に活用することで、低コストでイノベーションを実現することができる。
こうしたGoogleの取り組みのひとつとして登場したのが企業向け検索アプライアンス製品である「Google OneBox」だ。
Google OneBoxは、企業内の情報やデータへのリアルタイムなアクセスを可能にするアプライアンス製品。XMLやJavaをはじめ業界標準をベースとしたAPIを公開することで企業にあったカスタマイズもできる。
また、顧客の要望にタイムリーに応えることを目的に登場したのが、「Google Apps」だ。
Google Appsは、メールやチャット、カレンダーなどのコミュニケーション機能およびワープロやスプレッドシート、ポータルなどのコラボレーション機能をまとめて提供するオンラインアプリケーションスイート。ビジネスの効率化、生産性向上を低コストで実現できる。
大須賀氏は、「Googleのテクノロジを活用することで、安全性を確保しながらユーザーの利便性を高めることが可能になる。もし、Googleのテクノロジに興味があれば、ぜひ我々に声をかけてほしい」と締めくくった。