潤いを創造し、豊かさに貢献する−サッポログループ

宮本利明

2007-09-28 09:00

  

サッポログループの基本方針

  

 各事業会社が企業ブランドと商品がリンクしている中で、共通して掲げるのは「安全・安心・満足」の3つである。取り組みとして、なかでも目を見張るのが「LCA=ライフサイクルアセスメント」だ。LCAとは原料の採取から製造、輸送、使用、廃棄に至るまでの製品の一生(ライフサイクル)における環境負荷を定量的に把握し、環境への影響を評価(アセスメント)する手法を指している。

  

 製品の製造段階のみならず、原料の調達から輸送、販売にいたる過程をトータルに見据え、それぞれの過程で環境負荷を低減していくことが重要だと同社では認識しており、サプライチェーン全体の環境負荷を把握するために、ビール業界ではじめて国際規格「ISO14040」に準拠したLCAを実施している。原料履歴の追跡把握を行い、製品のライフサイクルを通じた環境影響把握を可能にしたのが、サッポロビールの推進する「協働契約栽培」の取り組みだ。

  

 「契約栽培」には、原料となる麦芽やホップの栽培を特定の生産者に委託することで、生産者や生産場所、時期、栽培方法などを管理・特定できるメリットがある。また「協働」には、生産者と密接なコミュニケーションのもとに、互いに協力して良質な原料づくりを進めていくという意味がある。同社では、2006年に麦芽とホップについて100%協働契約栽培化を達成している。契約生産者は世界中で約3000戸を数え、こういった取り組みがサッポロビールの品質の根源となっている。

  

自動販売機から始める環境負荷削減

  

 従来型の自動販売機は普通の家庭一軒分と同じくらい電力を使っていたことから、サッポロ飲料はまず省エネに取り組み、次にノンフロン、そしてヒートポンプ方式の採用と、順次環境対策を施してきた。こうした取り組みは、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や経済産業省から評価され、助成金が交付されている。

  

 また災害の備えとして、電力供給がストップしても、自動販売機に搭載されたバッテリーユニットの電源を使って、緊急時には自動販売機の中の飲み物を無料で供給するといったことまで対応できるようになっている。

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