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MIJS企業訪問(第9回)サイボウズ--米国の“大きな島”に勝つMIJSの“小さな島”の連携 - (page 2)

宍戸周夫(テラメディア)

2007-09-26 18:32

 「日本製のソフトが劣っているなら仕方がないかも知れませんが、外国製のソフトはバグも多いのです。しかしそれがグローバルの市場を席巻している。ゲームソフトでは日本が強いのに、なぜビジネスソフトだけが負けたのか分かりません」

 商習慣が違うからという人がいる。日本は独自の商習慣があるからビジネスソフトは難しいというものだが、それに対して青野氏は次のように語る。

 「そんな言葉を聞くとかちんときますね。車だって、右ハンドル左ハンドルの違いがあっても、日本の自動車産業は世界を席巻しています。つまり太刀打ちできないのではなく、だれも真剣にチャレンジしていないのではないのでしょうか。大リーグのようなものです。とても日本人は無理だと思われていたのですが、やってみるとけっこうできる。ソフトだって、やってみたらできるのではないかと思っています」

 その「やってみたらできる」という自信の裏付けとなっているのがサービス化だ。SaaSに代表されるようにソフトのサービス化が進んでいるが、青野氏は「サービス化で日本のソフトウェア産業が勝てる」と見ている。

 「製品を買うという発想なら安ければ売れるのかも知れませんが、サービスということになれば、満足度が低ければ簡単に切り替えられてしまいます。日本人にはきめ細やかなサービス精神がありますので勝てると思います。ディズニーランドだってアメリカより日本の方がサービスのクオリティが高いといわれています。ケンタッキーフライドチキンだって、日本はどの店でも同じ味がする。しかしアメリカではそうではありません」

MIJSは日本特有のモデル

 日本製ソフト、つまり、メイド・イン・ジャパンのソフトをより強力にするというのがMIJSの主旨。MIJSは青野氏がこだわるオーバーシーズも含め数々の取り組みをしているが、その基盤となっているのが技術部会で進めているソフト連携だ。

 サイボウズでは、執行役員開発本部長の札辻秀樹氏がMIJSの具体的な活動を支えている。

 「サイボウズは、MIJSの技術部会の中で主に共通マスターと共通インフラの部分で関わっています。共通マスターではまず社員マスターの定義を、また共通インフラではポータルやシングルサインオンなどの作業を進めています。共通マスターはドラフトが上がってきていますが、共通インフラでは製品に改良を加えなければいけなかったり、各社のロードマップに沿わなければいけなかったりするところがあるので多少時間はかかりますが、各社がそれぞれ持ち帰って対応製品を出すことで連携が可能になります」

 こうしたMIJSの活動について、社長の青野氏は日本のソフト会社に適した手法と評価している。

 「欧米のソフト会社は合併や買収を繰り返して、囲い込み戦略を取っています。それによって強大な企業がいくつか生まれていますが、それは島が大きくなっただけで、その島の間はつながらないのです。それに対し日本では小さなソフト会社が多く、つまり小さな島がたくさんあるという状態ですが、MIJSはその小さな島同士で規格を決めて、それでつなごうというやり方です。最終的にはこのようなやり方の方が大きな島になりますし、勝つことができると思うのですね。逆にいえば、MIJSは日本でしかできないモデルなのです」

 これまで、標準化団体とかコンソーシアムは、あまりうまく行ったケースが少ない。しかし、MIJSはこれまでの標準化団体とはちょっと違うという。

 「標準化団体が失敗しているというのは、現場のことを知らない人が標準を決めてきたからです。それと違って、MIJSは一番お客さまのことを知っている現場の人が参加している。そしてそれを、社長自らがリードし支援しています」

 “囲い込み”とは異なる、日本的な連携の姿がMIJSの中で浮かび上がろうとしている。

サイボウズの青野氏 サイボウズの執行役員開発本部長、札辻秀樹氏。

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