業界タイムマシン19XX--Trip11:セイコーエプソン vs. NEC PC-98互換機騒動 - 3/6

大河原克行 2007年09月28日 12時00分

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 ……ようこそ、「業界タイムマシン」のコックピットへ。私は、ナビゲーターの大河原克行です。このコーナーでは毎回、IT業界の歴史を、当時の写真を交えながらご紹介していきます。
 さて、今回のテーマは、「セイコーエプソン vs. NEC PC-98互換機騒動」です。
 1987年3月、セイコーエプソンは、「PC-9800シリーズ互換機」を発表しました。欧米では、標準機となっていたIBM PC/ATの互換機が市場を席巻していましたが、日本では、各社が独自の仕様を発表。その中でNECの「PC-9800シリーズ」が圧倒的なシェアを獲得していました。その独自市場において、セイコーエプソンが投入したのが、国内初の98互換機「PC-286シリーズ」でした。この製品の発売によって、日本の標準機を巡るPC市場の動きは大きく変化しはじめました。今回は、98互換機であるPC-286の登場時を振り返ってみましょう。
 それではこれから、あなたをIT業界の過去へと誘います……。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)
 これは、1987年3月13日に開催されたPC-286シリーズの発表会見で配布されたプレスリリースである。5行目に、「4月中に」と手書きで修正が加えられている点が注目される。もともとは「4月上旬」と書かれていたものである。このように、PC-286は、リリースに手書き修正が加えられるというドタバタのなかで発表された。では、どんなドタバタぶりだったのか。実は、セイコーエプソンでは、当初、3月9日に会見を予定していた。その通知は、3月2日時点で配布されている。ところが、8日付けの朝日新聞に、同社が互換機の発表を中止するとの記事が突然掲載された。日曜版に経済記事のスクープが掲載されるというのは異例のことだ。そして、9日午前中、会見延期の正式な通達がマスコミ各紙に伝達された。13日の会見で、当時、セイコーエプソンの専務取締役だった相澤進氏は、その顛末を説明。「3月9日に、本家であるNECにご挨拶に伺った結果、類似点があるとのコメントをもらった。だが、13日の本日時点でも回答はなく、NECからの理解は得られないままの発表となった。なるべく問題のないようにして、4月中には発売したい」とコメントした。発売日の手書き修正も、NECからの「理解を得た返答」を待つためのものだったといえる。本来ならば、「13日の会見も避けたい」というのがセイコーエプソンの本音だった。だが、16日付けで、日経パソコンが7ページに渡って詳細記事を掲載。その早刷りが12日段階には関係者に配布されていたのだから、13日発表がタイムリミットだったともいえる。ちなみに、13日の夕刻、NECは、常務取締役であった水野幸男氏が出席して、「互換機には類似点が多く、クロ」との内容の会見を開いた。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

 これは、1987年3月13日に開催されたPC-286シリーズの発表会見で配布されたプレスリリースである。5行目に、「4月中に」と手書きで修正が加えられている点が注目される。もともとは「4月上旬」と書かれていたものである。このように、PC-286は、リリースに手書き修正が加えられるというドタバタのなかで発表された。では、どんなドタバタぶりだったのか。実は、セイコーエプソンでは、当初、3月9日に会見を予定していた。その通知は、3月2日時点で配布されている。ところが、8日付けの朝日新聞に、同社が互換機の発表を中止するとの記事が突然掲載された。日曜版に経済記事のスクープが掲載されるというのは異例のことだ。そして、9日午前中、会見延期の正式な通達がマスコミ各紙に伝達された。13日の会見で、当時、セイコーエプソンの専務取締役だった相澤進氏は、その顛末を説明。「3月9日に、本家であるNECにご挨拶に伺った結果、類似点があるとのコメントをもらった。だが、13日の本日時点でも回答はなく、NECからの理解は得られないままの発表となった。なるべく問題のないようにして、4月中には発売したい」とコメントした。発売日の手書き修正も、NECからの「理解を得た返答」を待つためのものだったといえる。本来ならば、「13日の会見も避けたい」というのがセイコーエプソンの本音だった。だが、16日付けで、日経パソコンが7ページに渡って詳細記事を掲載。その早刷りが12日段階には関係者に配布されていたのだから、13日発表がタイムリミットだったともいえる。ちなみに、13日の夕刻、NECは、常務取締役であった水野幸男氏が出席して、「互換機には類似点が多く、クロ」との内容の会見を開いた。(画像をクリックすると、次のページへ進みます)

写真提供:大河原克行

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