しかし、このやりとりは冷ややかな雰囲気に変わった。GPLソフトウェアがHavaに使われているかどうかを推測する動きに対して、Gary-MMが「みなさんの中にはソフトウェア使用許諾契約に違反している人がいるのでは」と書いたからである。この取り組みにはHavaのソフトウェアから「BusyBox」という文字を探し出そうとする試みも含まれていたためであり、Gary-MMに言わせれば、「ファームウェアのリバースエンジニアリングを実行したか、またはしようとしていることを自分から告白したも同然だ」ということである。
Gary-MMは後に、脅すつもりはなく「ちょっとからかった」だけだと書いた。しかし、Hava Forumへの一連の敵対的な書き込みと、会社がSFLCからの手紙(2007年9月11日付け)に反応しなかったことにより、訴訟に発展した。
Ravicher氏によると、「ほとんどの場合はこの問題を通知するとすぐに反応がある。そして当事者同士が誠意をもって静かに、目立たないように、礼儀をわきまえながら問題の解決に取り組む」という。BusyBoxに関しては、FSLCではこれまでに50件以上のライセンス遵守違反を処理したということだ。そしてSFLCが代理人を務めるフリー/オープンソースプロジェクトは35か40程度あるが、そのうちライセンスの遵守を求める活動を最も頻繁に行わなければならないのはBusyBoxとFree Software Foundationの2つだと付け加えた。
Monsoon Multimediaは、最高業務責任者であるGraham Radstone氏が早い時期に「当社はつねに、現在においても過去においても、オープンソースソフトウェアライセンスの要求条件をすべて遵守する意向である。したがって、問題はすみやかに解決されるものと確信している」という声明を発表したが、それ以降は何もコメントしていない。
GPLをめぐる問題が訴訟にもつれこんだ例は少ない。Ravicher氏によれば、GPLに関する判例の構築をめざしてMonsoon Multimediaが提訴されたわけではないという。
「我々のクライアントが目標としているのは、GPLに関する判断を裁判所から引き出すことではない。ユーザーにライセンスの条件を守らせることが、クライアントの最終目標である」(Ravicher氏)