オープンな標準作りへの積極参加で、日本IT産業は再生を図るべき--The Open Group - (page 4)

田中好伸(編集部)

2007-10-09 08:00

 TOGAFは、1995年からThe Open Groupアーキテクチャ部会がDISAからもらった「TAFIM(The Technical Architectural Framework for Information Management)」に基づいて開発されたものだが、米国連邦政府内で活用されている「Federal Enterprise Architecture」(FEA)も同じくTAFIMに準拠し作られ、それにDoDではオペレーションに必要とされる機能を加え「DoD Architecture Framewok」(DoDAF)を作り、さらにDoDAFの機能も組み入れながら、民間企業が使えるようにしたのが、TOGAFである。

ITアーキテクトを認証

 このTOGAFは、EAフレームワークの一つだが、そこから得られるノウハウや方法論などを踏まえて、企業は情報システムのアーキテクチャを策定することになる。そのアーキテクチャを策定するのが、いわゆる「ITアーキテクト」だ。

 ITアーキテクトは、情報システムのアーキテクチャを策定する職種になるが、「日本ではまだ根付いているとは言い難い」(藤枝氏)というのが現状のようだ。

 The Open Groupは、TOGAFをしっかり学んだというITアーキテクトに対しても認証プログラムを展開している。この「TOGAF認証アーキテクト(Certified TOGAF Architecht:CTA)」は現在、世界で約3000人存在し、日本では10月現在、約170人がいるという。このCTAは「TOGAFという標準化されたEAフレームワークを身につけているという認証をThe Open Groupが行っている」(藤枝氏)のである。

 CTAは、日本では2004年から認定試験が開催されているが、このCTAについて藤枝氏は「もっと合格者の数を増やしたい」と思っている。

 そしてこのITアーキテクトに関連した認定資格を、たとえば弁護士や公認会計士と同じように重み付けをしようという動きが始まっている。これが「ITアーキテクト認証(IT Architecht Certification:ITAC)」だ。

 ITACの場合、その方法論をどれだけ身につけているのかが問われる以上に、ITアーキテクトとしての経験をどれだけしているかをより重視している。たとえば「ITアーキテクトとしてどれだけのプロジェクトを率いてきたのか」「企業内だけでなく社外でどれだけ積極的に発言しているか」といったことを、面接試験のような形で問われることになるというものだ。

 ITACとして認められているのは現在世界でもおよそ2000人程度だが、このITACについても藤枝氏は「某外資系大企業を除けば、日本企業はまだベンダーもユーザーもいない。これでは国際的な競争には勝てない。もっと日本人の数を増やしていきたい」という思いを持っている。

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