意思決定でボトルネックになるのは人間--TeradataのCTOが語る近未来のDWHテクノロジ

山下竜大(編集部) 2007年10月12日 20時35分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 NCR Corporationから分社化したTeradata Corporationにとって、今後重要となるテクノロジをTeradataの最高技術責任者(CTO)であるStephen Brobst氏は、「プラットフォームとソフトウェア。つまり、Intelアーキテクチャであり、データベースソフトウェアが重要であることに変わりはない」と話す。

 この言葉を証明するように、Teradataが10月7日〜11日の5日間、ネバダ州ラスベガスで開催した年次ユーザーカンファレンス「2007 Teradata Partners Confarence & Expo」では、プラットフォームの新製品「Teradata 5500 Server」とデータベースエンジンの最新版「Teradata 12」が発表された。

 Brobst氏はさらに、「プラットフォームのOSとしては、プロプラエタリなものからオープンソースのLinuxベースへと移行していくだろう。ただし、ここで言うLinuxとはTeradata版のLinuxではなく汎用のLinuxだ。もちろん、Windowsも重要だし、UNIXもオープンソース色がさらに強まるだろう」と言う。

 一方、データベースソフトウェアでは、「アクティブエンタープライズインテリジェンス(AEI)を実現するためのテクノロジが重要になる。AEIに基づく分析アプリケーションの分野も強化していきたい」と話す。

 AEIは、Teradata Partnersの基調講演で、同社のCEO、Mike Koehler氏も語ったとおり、「ベストなデータベースエンジン(Teradata 12)と、ベストなデータウェアハウス(DWH)プラットフォーム(Teradata 5500 Server)により実現される」同社のコアとなるアーキテクチャだ。

 また、分析アプリケーション分野を強化する取り組みのひとつが、SAS Instituteとの提携だった。「この提携は、分析アプリケーションのナンバーワンであるSASと、DWH分野のナンバーワンであるTeradataのパートナーシップであるということに意味がある」とBrobst氏。

 同氏は、「SASとの提携により、既存の顧客にも、新規の顧客にも、より良いDWHソリューションを提供することが可能になる。この協力関係により、今後もさまざまなソリューションを確立していきたい」と話している。

注目のエージェントテクノロジ

 「現在、個人的に興味があるのは、エージェントに関するテクノロジだ」(Brobst氏)

 同氏が言う“エージェント”とは、与えられた条件をもとに、システムに蓄積されたデータの中から必要なデータを自動的に取得してくるためのテクノロジを指す。Brobst氏は、「意思決定の自動化を実現するためのテクノロジと言い換えることもできる」と言う。

 「リアルタイムなエンタープライズシステムを実現することで、よりインテリジェントで迅速な業務を実現できる。このとき、最大のボトルネックとなるのが人間自身だ。これは、人間の思考が非効率的で一貫性に欠けているためだ」(Brobst氏)

 そこで、エージェントにより必要なデータの取得や分析を自動化することで、意思決定に一貫性を持たせ、効率的にリアルタイムなエンタープライズシステムを実現できるという。

 エージェントテクノロジを実現することで、たとえばヘルスケアの分野において、基本的な疾病情報はもちろん、DNAのレベルまでの情報を収集することも可能になる。

 これにより、患者個別に最適化された医療情報ををリアルタイムに提供できる。また、これらの情報からデータマイニングを行うことで、「何をすれば症状が回復し、何をしてはいけないのかを判断することもできる」(Brobst氏)という。

 「エージェントテクノロジ実現の取り組みは、すでに実験段階としてスタートされている。ヘルスケアの分野においては、おそらく5年程度で実用化が可能になるだろう。その後は、国防関連や政府関連の分野においてもエージェントのテクノロジが活用されていくだろう」(Brobst氏)

TeradataのStephen Brobst氏 「意思決定のボトルネックは人間。それを解決するのがエージェントテクノロジだ」と話すTeradataのCTO、Stephen Brobst氏。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
開発

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
IT部門の苦悩
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]