米国では「Yahoo! Pipes」(米Yahoo! IDで利用可能)と「Google Mashup Editor」(現在はクローズドベータ)が競合サービスと見られている。Yahoo! PipesはRSSのフィルタリングが主な機能で、Google Mashup Editorは自由度が高く、よりコアなユーザー向けのマッシュアップツールだ。Microsoftは、Silverlightを利用したグラフィカルなインターフェースと、サービスのカスタマイズ性がPopflyの優位点だとしている。
Popflyはマッシュアップの簡易性だけでなく、自分の作品をユーザー同士で公開しあったり、ブログに貼り付けたりと、多様な共有機能にも力を入れている。Popfly Spaceで利用できるコミュニティでは、友達機能やマッシュアップ作品へのコメント機能、評価機能など、クリエイター同士のネットワーク構築を促す。
ここ数年で多くのAPIが公開され、マッシュアップコンテストなども頻繁に開催されるようになった。しかし公開されているAPIを誰もが使えるわけではない。ウェブサービスを作成するのが非常に簡単になったとはいえ、実際に使おうとするとウェブ開発者ではないと敷居が高かった。マイクロソフト Visual Studioマーケティンググループ プロダクトマネージャーの馬田隆明氏は、「誰もが使えるようなツールを提供することで、マッシュアップを盛り上げ、広大なデータベースを有効に利用してもらいたい」と語る。
Popflyのターゲットは2種類。ウェブサービスのブロック自体も自分で作れるプロの開発者。そして、そのブロックを組み合わせる、インターネットサービスのヘビーユーザーだ。例えば「Twitterは普段使っているが、プログラミングの経験はない」というような人たちがこれに当てはまる。
もちろん、背景にはSilverlightの普及促進、Visual Studioを利用するウェブ開発者層も育てていきたいという狙いもある。
今回のオープンベータでは英語版のみ提供されるが、日本語の情報サイトが新たに用意された。「日本人ユーザーが盛り上げてくれれば早期の日本語化は十分あり得る。日本で多くのユーザーに利用してもらい、その盛り上がりを米国に伝えていきたい」と馬田氏。米国Microsoftでも日本人のカスタマイズ技能には期待しているとのことだ。