「元のソフトウェアが海外製であっても、それで付加価値を生み出せば良いわけです。パッケージの流通とは違って、われわれはそれをカスタマイズしコンサルティングを行いながらお客様への導入、運用支援をしているわけです。ある意味で、すき間を埋めているようなビジネスだと思っています」
この“すき間を埋める”という言葉には、同社の強みが集約されている。MIJSは大きな枠組みの中で製品連携に取り組んでいるが、同社はニーズに合わせて個々のソフトの連携を進めている。
その具体例が、同社の「つながリッジ」。この10月に、具体的な製品として「つながリッジ for eSM/Garoon2」を提供開始した。大規模ユーザー向けグループウェア「サイボウズガルーン2」と、ソフトブレーンの営業支援ソフト「eセールスマネージャー」の間でスケジュールを共有させるソフトウェアである。既存システムに変更を加えることなく、eセールスマネージャー側で登録・変更・削除されたスケジュールを定期的にサイボウズガルーン2側へ反映することができる。
開発責任者であるソリューションビジネス部部長の大黒篤氏がこう言う。
「“つながる”と“ブリッジ”という言葉を合わせて、つながリッジとネーミングしました。これはMIJSのメンバーであるサイボウズさんとソフトブレーンさんの著名なソフトウェアであるサイボウズガルーンとeセールスマネージャーをつなぐというパッケージですが、両方のソフトにそれぞれいいところがあるので、それをつないで使うことでさらに付加価値を生み出そうと考えました」
服部氏も「当社はもともと大学と産業界をつなぐということで、大学をスピンオフした人から始まっていますので、つなぐという作業を最初から行っています。現在でも、大学の先生方と共同研究したソフトも提供しています。そのノウハウを基盤に、それぞれの会社同士では利害関係があってなかなか実現できないようなことも、その間にわれわれのような第三者が入ると実現できることがあります。そのひとつにソフトの連携があります。その間で付加価値を生み出すというのがすき間を埋めるということだと思うのです」という。
