活用ポイント(3):中心トピックの役割
最後に最も重要なポイントとなるのは「中心トピック」の役割と使い方だ。
中心トピックは、「イベント出展プロジェクト」といったように、ややもするとあいまいなテーマ表現になりがちである。このプロジェクト(テーマ)が、たどりつくべき目的(地)は一体どこなのか? それが、関係者全員に常に見えていることがとても大切なのだ。
プロジェクトは、時間の経過とともに関係者が増え、情報が散乱し、混沌とした状況を生み出していく。どんなに情報が溢れようと、関係者が増えようと、大切なことは、「そのプロジェクトの目的地がどこにあるのか」をすべての関係者が共有することだ。これができれば、無駄な情報や活動を無理なく排除できる。そして、プロジェクトを「目的達成のために、やるべきことだけをやる」というスマートな状態に常に維持できるのだ。
関係者に継続的に目的意識を持ち続けさせるためにも、マップの「中心トピック」には目的地やゴールをはっきりと書き込むことが大切だ。そうすることで、プロジェクトがその方向性を見失いないそうになっても、常に「中心に据えられた目的」に遡って適切な意思決定ができるようになる。
さて、次回は、いよいよプロジェクトの骨格となるそれぞれの要素を具体化していくことで、プロジェクトをさらに「見える化」していく。
そして、プロジェクトの地図(マップ)を共有することが、いかにチームの「生産性」や「創造性」を高めてくれるのかについて解説することにしよう。
(連載協力:マインドジェット)
筆者紹介
渡邉安夫(わたなべ やすお)
有限会社シンプル・ビジョン 代表取締役 ソース公認トレーナー
システムインテグレーター、データベースベンダー、コンサルティング会社を経て、2001年4月に自らのビジョン「知識社会の地図とコンパスの創造」を掲げ、起業する。IT関連のプロジェクトにおける豊富な経験と実績を活かし、混沌とした現代にふさわしい新しいビジネスワークスタイルを提案し続ける。ビジネスやプライベートの多様なビジネスライフシーンにMindManagerをはじめ様々な思考法を幅広く融合し、効果を高めるエキスパート。中でも、プロジェクトや自己発見、自己創造等のキャリアの分野における実績多数。その豊富な経験と実績によって培われた独自のマッピング手法を駆使した効果的なトレーニングやコンテンツ、コンサルティングを提供することで、「21世紀の知図革命」を推進中。