Microsoftは米国時間11月12日、同社の新しいハイパーバイザー仮想化技術の販売方法について従来の計画を180度転換し、Windows Server OSにバンドルするだけでなく、同OSとは別に単体でも販売すると発表した。
それでもMicrosoftは、大半の人が同社のハイパーバイザー「Hyper-V」を最終的にWindows Server 2008の一部として入手することになると予想しているが、Hyper-Vを同OSとは別に単独で販売することにより、各サーバメーカーはWindowsを搭載しないサーバにもHyper-Vの組み込みが可能になるとしている。
またMicrosoftは、8つのバージョンのWindows Serverを発売すると発表した。価格は、ウェブサーバ版が469ドルで最も安く、逆にデータセンター版が3999ドルで最も高額だ。同ソフトウェアは2008年初めに完成予定で、正式な発売は2月27日を予定している。同社は、Standard、Enterprise、Datacenterの各バージョンについて、Hyper-Vを搭載した製品と搭載していない製品の2種類を用意しており、搭載した製品は価格が28ドル高く設定されている。またMicrosoftは、Hyper-V(開発コード:Viridian)を28ドルで単体でも販売する予定だ。
調査会社Illuminataのアナリスト、Gordon Haff氏は今回のMicrosoftの方針転換について、同社が市場の現状に適応した結果だと分析する。
Haff氏は、「これは、Microsoftにとって180度の方針転換だ」とし、さらに次のように続けた。「Microsoftも以前は完全に『仮想化はOSの1機能』という考え方だった。恐らく、同社は現状を見たのだろう。基本的に従来の同社の考え方は、実情に即していない」
ハイパーバイザー仮想化技術は、Windows Server 2008の重要な機能と見られている。しかし、MicrosoftはWindows Server 2008のさらなる発売延期を避けるため、いくつかの機能を削除した。仮想化は、1台のコンピュータをあたかも複数台のコンピュータのように動作させる技術を示す広義語だ。それに対し、ハイパーバイザーは1台のサーバ上で動作し、同一のハードウェア上で複数のOSの実行を可能にし、さらにメモリやストレージ管理などの機能を処理するレイヤを指す。
ハイパーバイザーの自社販売は、さほど大きな利益が見込める事業とは考えられていないが、特に仮想化関連の管理ソフトウェアやサービスを販売したい企業にとっては、ハイパーバイザーを制することは戦略上重要と見られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ