ドイツ人男性、第二次世界大戦時の暗号解読機Colossusを下す

文:Tom Espiner(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-11-19 15:10

 英国の国立コンピュータ博物館は英国時間11月15日と16日の両日、暗号解読コンテストCipher Challengeを開催した。皮肉なことに、第二次世界大戦で用いられた暗号解読用コンピュータを擁した英国チームはドイツ人男性の後塵を拝する結果となった。

 課題は、ドイツのパーダーボルンから送信された無線通信を傍受し解読することで、14年をかけて再現された暗号解読用コンピュータ「Colossus」が暗号を解読する。このColossusに、欧州全域から無線愛好家が挑戦する。解読に使う手段に制限はない。

 優勝者はJoachim Schuthさん。ボンから自作ソフトウェアを携えて参加したという。

 博物館の広報担当は16日、「最難関の暗号は昨日解読された。実に喜ばしいことだ。同氏はこのコンテストのために準備したソフトウェアを用いた。Colossusの方は現在も解読している最中だ。昨日は大気の状態が悪く信号の入手が遅れたためだ」と語った。

 Colossusチームは16日早朝になってようやく無線通信を傍受し、暗号文の紙テープをColossusにセットした。本稿執筆時点で、テープはまだ動作中である。同チームは、同日遅くには解読できると見ている。

 博物館の広報担当は、「(Schuth氏は)極めて速く、驚くほどよい仕事をした」と評している。本稿執筆時点で、解読に使われたシステムやソフトウェアについての技術情報はほとんど明らかにされていないが、同広報担当によるとAdaプログラミング言語が使われたという。Adaは1980年に米国国防総省が開発した言語で、軍事システムで使われている。

 Colossus再現チームを率いたAnthony Sale氏によると、電文の暗号化には、第二次世界大戦中にハイレベルの通信用にドイツで使われたものと同型のローレンツテレプリンタ暗号機が用いられたという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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