サイト脆弱性をチェックしよう!--第6回:SQLインジェクションの検査方法 - (page 5)

池田雅一(テクマトリックス)

2007-11-26 18:43

注1:文字コードを利用した脆弱性
文字コードを利用した脆弱性はいくつか存在するが、代表的なものとして以下のようなものがある。
1. 文字コードの変換による脆弱性

 各ソフトウェア(データベース、ミドルウェア、開発言語)で取り扱っている文字コードが異なる場合、文字コードを変換する際に、別の意味を持つ文字に変換されることがあり、結果的にSQLインジェクションなどの脆弱性につながることがある。

 特に、Unicodeから他の文字コード(Shift-JISなど)に変換する場合、Unicodeにあって、他の文字コードにない文字を似たような文字に変換してしまうことがある。たとえば、Unicodeのバックスラッシュ(半角の\)と円記号(\)など。

 Unicodeではこれらを別のもの(それぞれ0x5CとU+00A5)と規定しているが、他の文字コード(Shift-JIS、EUC、JIS)では、同じ0x5Cと規定している。

 このため、ウェブアプリケーションではUnicodeを使用しており、データベースではShift-JISを使用している場合、文字コードの変換により、ウェブアプリケーションでは問題がないU+00A5が、データベースではエスケープ文字を表すことがある0x5C(\)に変換され、正しくエスケープされなくなる。

 結果として、SQLインジェクションが発生する場合がある。たとえば、ウェブアプリケーションではUnicodeを使用し、データベースではShift-JISを使用している場合、以下のようなSQL文の“入力データ1”に「0xA5」、“入力データ2”に「 or 1=1;--」という値を使用すると、データベースでは以下のようなSQL文を意味する。

■変換前
 SELECT userID, userName FROM userTable WHERE
 userName = '入力データ1' and address =
 '入力データ2';
■変換後
 SELECT userID, userName FROM userTable WHERE
 userName = '\' and address = ' or 1=1;--';

 このデータベースで「\」をエスケープ文字として利用できる場合、userNameの検索条件の文字列定数の終了を意味する「'」が検索条件の一部と解釈され、すべてのデータを検索するSQL文を実行してしまう。

2. マルチバイト文字の解釈のミスによる脆弱性

 正しく日本語に対応していないソフトウェアでは、文字の1バイト目だけを見てその文字がマルチバイトの文字か、1バイトの文字かを判断していることがあり、0x81などのデータを用いることで、文字列定数の区切り記号である「'」を無効化できることがある。

 たとえば、データベースがこのようにマルチバイト文字を解釈しているとすると、先のSQL文の例であれば、入力データ1に0x81、入力データ2に「 or 1=1;--」を使用した場合、そのSQL文は以下のようになる。

 SELECT userID, userName FROM userTable WHERE
 userName = '・ and address = ' or 1=1;--';

 この結果、userNameの検索条件の文字列定数の終了を意味する「'」が別の文字と解釈されてしまい、全件が検索結果として返されてしまう。

 これら文字コードを利用した脆弱性は、SQLインジェクションに限ったことではない。他の脆弱性でも文字コードに依存した問題が発生することがあるので注意が必要だ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    量子コンピューターの実用化がもたらす脅威とは?既存の暗号資産を守る“4つのステップ”を徹底解説

  2. セキュリティ

    攻撃者がクラウドを標的にする仕組みとは? CrowdStrikeのレポートから考察する

  3. 経営

    「作って終わり」のマニュアルを「活用される」マニュアルにするためには?

  4. セキュリティ

    脱「PPAP」で考える、重要なファイルを安全に送付・共有する最適解とは?

  5. コミュニケーション

    Slack 導入事例集 2023:伊藤忠テクノソリューションズはいかに営業チームを1つにまとめたのか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]