チェックリスト
買収提案の前に確認しておくべき事項
以下に、取引をまとめることを考える前に納得のゆく答えを用意しておかなければならない6つの質問を掲げる。対象企業の経営陣との面談でこれらの質問をうっかり口にするのはまずいが、あらゆる調査や面談を通じてこれらの質問に答えを用意する努力をしなければならない。
- 数字はごまかしていないか。もちろん対象企業の財務状況は調査済みだと思うが、矛盾点がないかどうかさらにつっこんで調べる努力をするべきだ。例えば、期末に売上高が急増していたら、数字を良く見せるために顧客に在庫を投げ売りしていたのではないか、と考えてみるべきである。
- 製品は信頼できるか。業界によっては(特にハイテク産業では)過剰な宣伝広告が多く、何が実際に完成している製品で何がコンセプトの段階にとどまっている製品かが常に明確とは限らない。製品がすでに発売済みなら、それがきちんと動作するのかユーザーに確かめてみること。また、発売前の製品なら自社の専門家にその製品が確かに宣伝通りの代物なのか詳細に調べてもらうこと。
- 経営陣の質はどうか。対象企業の経営陣の能力が優れているかを敏感に感じ取らなければならない。特に買収後も引き続き役員として登用するつもりならなおさらである。さまざまな状況に対してどのように対処してきたのかを尋ね、また自分が彼らのために働きたいと思うか自問してみることだ。答えがノーならのちのち対立が発生するかもしれない。
- 従業員の質はどうか。企業を買収するということは製品とともに従業員も取得するのだから、その製品の製造、アップグレード、サポートについて熟知した従業員がまだ在籍していることを確認すること。その企業の中枢頭脳を担う従業員が1年も前に退職していたことを買収後に知るようではいけない。
- 自社の社風に合うか。これは主観的な問題だが極めて重要である。買収後に存続する企業では日々、新しい仲間と仕事をしなければならないのだ。社風に自然になじんでくれそうか、それとも適合するように強制する必要がありそうか。
- 自社の企業戦略に合うか。これまでの段階で当然、分析済みだろう。しかし、これは自分の組み立てた論理を再検討する最後のチャンスなのである。それでもやはり良い案件に思えるか。もしそうなら交渉の段階に入る時機だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ