楽天がCSIRTを新設--インシデント対応力の強化を図る

冨田秀継(編集部)

2007-12-06 18:26

 楽天は組織内で情報セキュリティに関わる問題を一括して扱う専門組織「CSIRT」(Computer Security Incident Response Team)を新設し、インシデント対応力の強化を図る。有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)の協力を受け、インシデント対応プロセスとフローの整備、明文化を実施し、12月6日付けで同社内に設置された。チームの人員数は非公表。

 JPCERT/CCの文書「組織内 CSIRT 構築支援マテリアル」によると、情報セキュリティ分野でのインシデントは、「ITシステムの正常な運用または利用を阻害するウイルス感染、不正アクセス、情報漏えい、DOS攻撃などの事案や現象の発生をいう」とある。

 ウェブを基盤としたサービスが事業の中心である楽天では、ユーザーが安心してサービスを利用できるよう、組織的な対応力の強化が不可欠と考え、今回のCSIRT設置につながったとしている。

 また近年、JPCERT/CCらが共同で「日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会」(日本シーサート協議会)を設立するなど、組織内にCSIRTを設置する機運が高まっている。CSIRT間での連携、共同演習、早期警戒情報の共有など、横に繋がることでインシデントを未然に防ごうという動きだ。

 NTTは「NTT Computer Security Incident Response and Readiness Coordination Team」(NTT-CERT)を、日立製作所は「Hitachi Incident Response Team」(HIRT)を、インターネットイニシアティブは「IIJ Group Security Coordination Team」(IIJ-SECT)を設置しており、いずれもCSIRTの国際機関FIRSTに加盟している

 楽天ではFIRSTへの参加を検討中だが、「当然(参加を)目指すべきこと」(同社)との認識で、体制が固まり次第、申請するとみられる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]