Mac OS X狙って実害及ぼすウイルス確認--トレンドマイクロ、11月の被害調べ

吉澤亨史

2007-12-07 19:53

 トレンドマイクロはこのほど、11月度のウイルス感染被害マンスリーレポートを発表した。このレポートは、11月1日から11月30日までに、日本のトレンドマイクロのサポートセンターに寄せられたウイルス被害件数をもとにランク付けを行ったもの。

 発表によると、11月のウイルス感染被害の総報告数は3535件と、10月の4950件から約3割の減少となった。しかし、ウイルスの発生や感染は沈静化の後に活発化する傾向もあり、クリスマスなどのイベントが立て混む年末に向けてウイルス感染被害が増加する可能性が考えられるため、警戒が必要としている。

 ランキングは、トロイの木馬である「TSPY_ONLINEG」が41件で1位、「VBS_SOLOW」が30件で2位、バックドアである「BKDR_AGENT」が28件で3位となった。以下、「HTML_IFRAME」、「TROJ_SBITCH.A」、「BKDR_HUPIGON」、「VBS_SASAN」、「TROJ_DLOADER」、「TSPY_MARAN」、「JS_PSYME」と続いた。

 11月には、アップルのMac OS Xを狙った不正プログラムは、これまで確認されてきたものは攻撃可能性を実証する目的のコンセプトウイルスばかりであったが、小規模ながら初めて実害を及ぼす目的で作成された「OSX_DNSCHAN.A」が確認された。この不正プログラムは、複数のアダルトサイトで「Mac環境で動画再生に必要なコーデック」と偽って配布されていた。

 さらにこれらのサイトは、Windows OSからアクセスした場合にはWindows OS向けの不正プログラム「TROJ_ZLOB」がダウンロードされる、マルチOS対応の不正サイトになっていた。現在の目的志向の攻撃では、以前のようにシェアの大きいWindowsだけではなく、MacやLinuxも狙われ始めているとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    VPNの欠点を理解し、ハイブリッドインフラを支えるゼロトラストの有効性を確認する

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]