トランジスタ誕生60周年--その生い立ちと未来 - (page 2)

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-12-27 08:00

 しかし、これまで反対論者は間違っていた。回路を描く際に使われるリソグラフィ技術は、まず1ミクロンで壁にぶつかり、その後、250ナノメートル(nm)製造で壁に突き当たるはずだった。これは、リソグラフィマシンで使用されている光の波長よりも小さな回路を描くのは不可能という理論を一部の人々が打ち立てたからだ。しかし、半導体業界は、1990年代半ばに250ナノメートル製造の壁を突破した。

 しかし、現在はトランジスタに金属ゲートが導入されたおかげで、半導体工場では45nmのチップが製造されている。これは、大きな変化だ。

 ムーアの法則は、既存技術に適用される場合、今後次第に減速し、2020年頃に終わりを告げるのではないかと多くの人々が考えている。その頃には、トランジスタの内部構造、特にゲート酸化膜と呼ばれる絶縁層は、わずか2〜3個の原子で構成されているだろう。

 それでもなお、楽観主義者たちは、チップの設計者たちはトランジスタの小型化をやめ、代わりにトランジスタを積み重ね始めると見ている。東芝はすでに3Dメモリでその計画を進めている。経済的利益とパフォーマンス利益は今後も増加し続けるだろう。IntelとIBMも2〜3個のゲートを持つトランジスタの開発を進めている。2〜3個のゲートは、3Dへの移行と同様の効果がある。

 また、チップ設計者たちが量子効果を利用する方法、つまり、電気信号の代わりに他の物理現象を利用する方法を発見すると考える人もいる。

 Rattner氏は、「われわれは、クランクを回すことはできない。どちらかといえば、今後さらに難しくなるが、過去40年間に見てきた変化よりもさらに劇的な変化を数多く目の当たりにすることになる」と述べ、さらに次のように続けた。「トランジスタが電荷を利用しなくなったら、われわれはそれをムーアの法則と呼ぶだろうか。いつか、電荷に基づくトランジスタから別のトランジスタに移行することになる。しかし、われわれがムーアの法則の基本理念を維持する限り、人々はそれをムーアの法則と呼ぶだろう」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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