Yellow Dog Linux 5.0.2
最初に紹介するのは、米Terra Soft Solutions(Terra Soft)が開発する「Yellow Dog Linux」だ。Fedora Coreをベースに開発されたPPC向けのLinuxディストリビューションで、最新のバージョン5では、PS3への対応を公式に発表している。公式サイトで紹介されているミラーサイトにあるISOイメージは、無料でダウンロードが可能だ。また、ウィキペディアによればPS3で動作するLinuxとしてSony Computer Entertainmantの公認も受けているという。
これを最初に紹介する理由としては、筆者が導入を試したときに「一番スムーズにインストールできた」ためだ。5.0.2では、ISOイメージの中に、PS3でLinuxを起動するための「ブートローダー」と呼ばれるプログラムも含まれているため、1枚のDVDさえ作っておけば、インストールから起動まで問題なく行える。
問題点としては、無償で利用できるダウンロード版の初期状態では、日本語環境に若干の不備がある点だろうか。インストーラーは日本語で表示されるのだが、実際の稼働環境では、言語を日本語に設定していると、ユーザーインターフェースの大部分がうまく表示できなくなってしまう。もちろん、必要なファイルを用意して設定を変更することで日本語の表示も可能なのだが、「ちょっと動かしたい」程度の人にとっては、若干敷居が高い。筆者は、ユーザーインターフェースの言語は英語で利用した。
ただ、Yellow Dog Linuxについては、アミュレットという会社が、日本語化を行ったものをパッケージとして販売している。価格はノンサポート版で6800円。もし、Yellow Dog Linuxをダウンロード版で動かしてみて気に入ったが、日本語環境を自分で構築するのが難しいという場合には、こちらを購入するという方法もあるだろう。
1.インストールディスクの作成
さて、具体的なインストール作業を解説していこう。
まず最初に、PCなどでTerra Softの公式サイトから、最新版のISOイメージを入手する。同社サイトの「SUPPORT」のカテゴリにある「Downloads」ページ(http://www.terrasoftsolutions.com/support/downloads/)にアクセスしよう。
このページの上部には、導入方法の解説があり、その下にISOイメージをダウンロードできるミラーサイトへのリンクがリストされている。ミラーサイトはどこを選んでも大丈夫だ。リンクをクリックして、接続に時間が掛かるようであれば、別のサイトを選んでみよう。
リンク先には「iso/」と書かれたディレクトリへのリンクがあるので、そこにクリックして入る。すると、拡張子が「.iso」のファイルが一覧で表示されるはずだ(サイトによっては最新版だけが表示される場合もある)。
今回は、最新版の「yellowdog-5.0.2-20070711.iso」をダウンロードした。サイズは約3.7Gバイトなので、ネットワーク環境によってはかなり時間が掛かるかもしれない。ひたすら完了するのを待とう。
ダウンロードが完了したら、DVDライティングソフトを利用して、先ほどのISOイメージをDVDに書き込む。これが「インストールディスク」になる。
1点注意すべきは、通常の「ファイル書き込み」でDVD-RにISOイメージを書き込んでも意味がないことだ。「ISOイメージ書き込み」「イメージ書き込み」等、ソフトによって表記は異なるが、ISOイメージを展開して書き込める機能を使ってDVDを作成すること。
無事、イメージからインストール用のDVDが作成できたら、次のステップだ。