5.デスクトップ環境の利用
再起動後、ブートシークエンスが終了すると、画面にユーザー名とパスワードを入力する画面が表示される。ひとまず、言語は「英語」を選択した上で、ユーザー名に「root」、およびインストール時に設定したパスワードを入力してログインすると、デスクトップ環境が立ち上がる。
Yellow Dog Linuxのデスクトップ環境は「E17(Enlightenment)」と呼ばれる独自のもので、アイコンがアニメーションするなど、ビジュアル面でもなかなかチャーミングなものだ。動作も「快適」とは呼べないまでも、なんとか実用的なスピードを確保している。
ちなみに、筆者の環境ではDHCPによるIPアドレスの取得がうまくいかなかった。そのため、改めてこのデスクトップ上で「Network(Network Configration)」というツールを立ち上げ、IPアドレス、デフォルトゲートウェイ、DNSを直接入力し、ネットワークカードをActive化するという作業を行って、ようやくインターネットへのアクセスが可能となった。
Yellow Dog Linuxのデフォルトの環境では、ブラウザにFirefox、生産性ツールとしてOpenOffice.org 2.0などがインストールされている。ひとまず、Firefox、OpenOffice.org Calc、ターミナル、ファイルマネージャあたりを次々に起動してみるとこんな感じだ。
PS3のメモリが少ないせいか、アイコンをクリックしてからウィンドウが立ち上がるまでの時間は、数秒から十数秒程度と、かなり待たされる印象がある。とはいえ、一度起動してしまえば、各アプリケーションはそこそこ実用的なスピードで操作できた。PS3で動かすことを意識して作られていることもあってか、そのあたりのバランスはうまくとれている印象だ。
ダウンロード版のデフォルトの環境では、UIの日本語表示などに一部難があるが、ブラウザ上での日本語表示は問題なく行えた。UIの日本語化を行いたければ、フィックスターズが運営する「PS3 Linux Information Site」の「YDL 5.0のカスタマイズをしよう」というページに、日本語化の手順が詳しく解説されている。腕に自信があれば、この情報を元に自分で挑戦してみるのもいいだろう。また、Yellow Dog Linuxが気に入って、この先常用したいのであれば、先述のアミュレットが販売する、日本語化されたパッケージを購入してしまうというのもひとつの手だ。
(次項は「fedora 8」)